「阿良々木君、最近ちょっと乱暴なんじゃない」

狭い畳の上に敷かれた白い布団の上で、白い裸体を隠しながら戦場ヶ原ひたぎがそう言った。
戦場ヶ原でも身体を隠したりするんだ、なんて思いながら僕は首を傾げる。

「乱暴、というのは少し言葉が悪かったかもしれないわね。
なんて言えばいいのかしら、そうね…。
適当…酷い……」

ううん、と、戦場ヶ原が言葉を選ぶ。
ぶつぶつと舌の上で単語を転がすように。

「時間…を…かけ、て…、そうね、これだわ」

戦場ヶ原は僕を見る。
僕も戦場ヶ原を見る。
なんだというのだ。

「もう少し時間をかけなさい、阿良々木くん」

「失礼な奴だな!!」

それはなんだ、つまり僕が早漏とでもいいたいのか?!
だとしても仮にそうであったとしても、せめてもう少し言葉を選んでほしいものだ。
いや、さっきの様子だとこれでも戦場ヶ原にしては選んだほうなのかもしれないけれど…。
それにしたって酷過ぎる!!

「あら、違うわそうじゃないの阿良々木君。
決してあなたが早漏だって言いたいわけじゃなくってね、
もしそうだとしても言えるわけないじゃないの、阿良々木君にそんなこと」

「嘘を吐くな!お前は絶対そういうことを平気で言う奴だよ!」

「ああ、そうだったかもしれないわね。
でも今回は本当にそれが言いたいわけではないのよ」

そうだったかも、じゃない!そうなんだよ!!
しかし、早漏だと言いたいんじゃないとすると、なんなのだろうか。
僕が聞く前に、戦場ヶ原は口を開く。

「痛いのよ」

「痛い?」

「そう。さっき言った通り、最近乱暴なんじゃない、阿良々木君。
こういうことするのに慣れてきてしまって、前戯なんてしなくても入るーとか思っているんじゃないかしらと思って。
ええそうね、入るわよ。そりゃあんな風にねじ込まれれば入ってしまうわよ。
だけれどね阿良々木君。やっぱりそれは痛いの。
私は気持ちよくなってはいけないのかしら、阿良々木君は自分が気持ち良ければいいのかしら。
それともなあに?








 
     






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