短編@


□正体
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淋しさや愛などという人間じみた感情は、
とうの昔に捨てたはず。


それを何を今更…
僕は一体どうしたいのでしょう…?




貴方の苦しそうな表情を見て胸が痛くなりました。
貴方の髪の感触がまだこの指に残っています。
貴方に殴られた痛みさえ懐かしい。


これは何…?
何が僕を支配しているのか…?











――――愛、でしょうか?

真っ先に捨てたはずの感情が、
今この僕を苦しめているのでしょうか?


なんて愚かな。
なんて醜くて、そしてくだらないのでしょう…




だから僕は確かめたい。
貴方に会って、きちんと認識したいのです。

もしそうならば、
再びこの感情を捨てる為に…









貴方に会いに行きますよ、
……雲雀君。













END.

























◎あとがき◎
骸さん誕生日企画ということで、過去にマフィア通信で配信したSSでした。
ムクヒバにおいては、私の中でこういう骸さんは珍しいです。



2009.6.9

 

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