短編@
□自覚嫌悪
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朝日を顔に感じて目を開ける。
見馴れない部屋…
此処はどこだっけ?
「ああ……そうだった…」
隣で静かに寝息を立てている男を見て呟いた。
僕は昨日、この男に抱かれたんだった…
大嫌いなはずのこの男…
六道骸。
『またお会い出来て嬉しいですよ』
そんなことを言いながら、骸は僕の前に現れた。
すぐに咬み殺してやるはずだったのに、何故か僕は差し出された骸の手を取ってしまった。
他人を自分の中に受け入れるなんて、考えたこともなかった。
それなのに僕の身体は、あっさりと骸を受け入れた。
苦しいはずなのに、
やめて欲しいはずなのに、
骸の頭を抱え込んで放さなかった僕の両腕。
「ムカつく…」
そう呟いて、骸の寝顔を小突く。
「…ん、雲雀……君…」
寝返りと共に僕の名前を呼んだ骸を…
僕は…
愛しい、と思ってしまった。
「いつか絶対に……咬み殺す…」
そんな強がりを言いながら、僕は再び目を閉じた。
自覚したくない愛を抱えながら…
END.
◎あとがき◎
雲雀誕生日企画ということで、過去にマフィア通信で配信したSSでした。
大好きだと気付いているくせに絶対にそれを認めない雲雀さんと、そんな雲雀さんを理解し受け入れる骸さん。
それが私の理想のムクヒバです^^
2009/5/5