短編@


□僕の空間
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今どんな状況なのか、

この世界が一体何なのか、

そんなことには全く興味はないけど…



「大丈夫、六道骸は生きてるよ。」

その言葉に心が跳ねた。






生きている…?
そんなの当たり前じゃないか。
あいつが死ぬのは、僕が咬み殺す時だけだ。
それ以外で死ぬわけがない。


僕以外、誰の手にも触れさせない。














10年後の僕の生活空間だという所に案内された。
だだっ広い和室。
何、此処?
この趣味は嫌いじゃないけど…


少し歩き回って、ふと足が止まった。
微かに、
本当に微かにだけど、あいつの匂いがする。

一度気付くと、部屋中至る所にあいつの存在があることがわかった。




匂い、
あいつが好みそうな洋酒の瓶、
畳に残った群青色の髪…






六道骸、
お前はこの部屋に出入りしていたのか?


この部屋の主であるという僕と一体何をしていた…?









…わからない。

草壁に尋ねようとも思ったが、何故か気が進まなかった。




だから、
早く僕の前に姿を現せ。





決して会いたいからなどではない。
真相を聞き出して、
それから咬み殺してやるため。
ただそれだけ…













だから早く、
僕に会いに来い、六道骸…









END.

























◎あとがき◎
雲雀誕生日企画ということで、過去にマフィア通信で配信したSSでした。
今も未来も変わらない関係の二人だといい。



2009/5/5

 

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