退廃今昔物語
□嵐ヶ丘
2ページ/11ページ
相沢が大声を出すと、魅上とビヨンド・バースディが駆け込んできた。
ビヨンド「何を見たんだ!」
模木「若い男だ・・・青白い顔の・・・黒髪の・・・」
相沢「あんたの名前と・・・Lだと言っていたような・・・」
ビヨンド「Lだと!」ビヨンドの顔色が変わった。
窓を開け放ち、狂人のように叫ぶ。
「L!戻れ!!・・・もう一度、もう一度、戻れ。・・・俺の愛しい人・・・俺のL・・・」
ビヨンド・バースディは吹雪の荒野へ飛び出して行った。
ただ驚くばかりの相沢と模木に、下男・魅上は独り言のように呟く。
「L様に呼ばれて・・・一緒に荒野へ行ったんだ・・・信じられない・・・・死者を引き戻す強い力があるんです・・・・うんと激しい恋には・・・引き裂かれた恋なら・・・尚更・・・」
放心状態の魅上に、相沢と模木は、
「・・・聞かせてくれ・・・」
と言った。
魅上は遠くを見ながら語りだした。