退廃今昔物語

□嵐ヶ丘
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相沢が大声を出すと、魅上とビヨンド・バースディが駆け込んできた。


ビヨンド「何を見たんだ!」


模木「若い男だ・・・青白い顔の・・・黒髪の・・・」

相沢「あんたの名前と・・・Lだと言っていたような・・・」


ビヨンド「Lだと!」ビヨンドの顔色が変わった。

窓を開け放ち、狂人のように叫ぶ。



「L!戻れ!!・・・もう一度、もう一度、戻れ。・・・俺の愛しい人・・・俺のL・・・」



ビヨンド・バースディは吹雪の荒野へ飛び出して行った。





ただ驚くばかりの相沢と模木に、下男・魅上は独り言のように呟く。

「L様に呼ばれて・・・一緒に荒野へ行ったんだ・・・信じられない・・・・死者を引き戻す強い力があるんです・・・・うんと激しい恋には・・・引き裂かれた恋なら・・・尚更・・・」




放心状態の魅上に、相沢と模木は、


「・・・聞かせてくれ・・・」
と言った。




魅上は遠くを見ながら語りだした。
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