退廃今昔物語
□ラプンツぇる
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夜神家の裏庭には美しい花園があり、その向こうには高い塀がめぐり、恐ろしい魔人【キラ】が住んでいたのです。
ある日の事、【まつだ】が窓辺に立ち花園を眺めていると、花園の隅にラプンツェルという美味な野菜がたくさん生えそろっているのが見えました。
【まつだ】はいわゆる喰いづわり(悪阻)で、普段より一層好き嫌いが激しく、どうしてもラプンツェルの菜が食べたくなりました。
寝ても覚めてもラプンツェルの事ばかり考え、痩衰える【まつだ】を心配した総一郎は、とうとうある夜、キラが大切にしている花園に忍び込み、ラプンツェルを盗んでしまったのです。
喜んでラプンツェルを頬張る可愛い【まつだ】の姿を見て、次の夜もその次の夜も魔人【キラ】の花園に盗みに入る総一郎。
そしてとうとう、