退廃今昔物語

□裸の王様
1ページ/10ページ


―これは、そう遠くはない時代の、とある豊かな国のお話―





長身でスタイルが良く、美男子と評判の若き国王・ビヨンドは、新しい服を誂えるのが大好きでした。




ビヨンド国王は、どんな高級ブランドの服も見事に着こなし、ア●マーニやポール・ス●ス、D&●社からは新作が次から次に献上されました。



ハンサムな国王が身に纏うだけで、そのブランドはバカ売れだったのです。




しかし下々の者までが着始めると、王様はもっと斬新でイケてる服が欲しくなったのです。




「あなたは何を着ても似合いますよ。二人でペアルック、なんてどうです?何だかワクワクしませんか?」



妻であり王妃のLが国王にもたれて囁きます。



「ペアルック・・・?嫌だ。大体、お前はいつも白いシャツとジーンズではないか。それでは国王として威厳が無さ過ぎる」



Lは指をくわえてすねました。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ