糧
□9月
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
(3､2､1､キュー)
～♪
｢神谷浩史｣
｢小野大輔の｣
｢｢Dear Girl～Stories～｣｣
｢こんばんはー､神谷浩史です｣
｢もす､小野大輔です｣
｢いや～すっかり秋ですねー｣
｢秋､と言えばですねー､もうすぐなんですよぉ｣
｢何が?｣
｢誕生日｣
｢誰の………あぁ､小野くん家の｣
｢息子の誕生日なんですよ～｣
｢あーそっか､もうそんな時期かぁ…｣
｢三歳になります｣
｢一番可愛い時期だよね～ どう?似てきた?｣
｢俺に?｣
｢うん｣
｢えーどうだろ…､あ!でもねぇ最近似てるって言われる!!｣
｢パパに?｣
｢うん。ほら､三歳って大人の真似したがるじゃないですか。｣
｢うん｣
｢もうまたパパの真似して､って嫁が怒ってる…｣
｢あー小野くんダメな父親なんだねー…｣
｢神谷さんとこは?どうなんですか…えっと､浩子?｣
｢お前いい加減ぶっ飛ばすぞ｣
｢先月でしたよね｣
｢誕生日?｣
｢うん｣
｢今三歳と一ヶ月…はまだか､夏生まれだからね､うちの娘｣
｢可愛いでしょ｣
｢なに言ってんの､当たり前だろ｣
｢出た､親バカ｣
｢うちの娘だよ!?可愛いに決まってるじゃないか!!｣
｢はいはい｣
｢それがさー､聞いてよ小野くん｣
｢なんすか｣
｢最近すっごいうちの奥さんに似てきてさー｣
｢浩子が?｣
｢しばくぞ。
さっきの小野くん家の息子の話じゃないけど真似するんだよね｣
｢へー､奥さんのですか｣
｢そう､こないだなんか朝娘が起こしてくれたんだけど､なんて言ったと思う?｣
｢え?パパ起きてー､みたいな｣
｢あなた､仕事遅れるわよ だって｣
｢へー神谷さん毎朝奥さんにそんな風に起こしてもらってんだ…つーか何時まで寝てんスか｣
｢もうね､仕草とか口調とか､そっくりなんだよ!｣
｢嫁が二人｣
｢まさにそう､もー可愛くて仕方ない!!｣
｢デレデレしているよーこの神谷という男は｣
｢でもねぇ､あんまり娘ばっかり可愛い可愛い言ってたら奥さん拗ねちゃうからさー｣
｢え､なに?ノロケ?｣
Dear Girl～Stories～
(まぁそこも可愛いんだけど)
(嫁の話?娘の話?)
,