◇ ◆ 茶 恋 詞 ◆ ◇


【C】 1件

【Chamling】
戦場の休息地


――竜崎を誘惑したのは、僕からだ。こんなことは、初めての経験だった。

遊びでもいい、と思った。彼に見つめられるだけで、苦しくてたまらない。魚が水を得るように、空気を吸うように、彼が必要だった。

《欲しい》気持ちを、止められなかった。偶然触れられた日は、その指で、狂ったように自慰に耽った。(彼は、激しいのだろうか?)(それとも、優しくするだろうか…)どんな彼でも、構わなかった。愛してくれるなら――全てを、受け取めるつもりだった。

竜崎も僕も、酒が強い(月陽1位2位)。その彼を、僕のあさましい目的の為に、潰した。前後不覚の彼は、好きな人と触れ合っていると思うだろう。僕の方は――2度とないこの機に、全身全霊で彼を《記憶した》。彼の感触。体温。息遣い。指の動き。髪の柔らかさや、舌と唇の味わい。それから…



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