◇ ◆ 薦 蓮 集 ◆ ◇


53件

【寿(夜神月×魅上照) (ことほぎ)】


「おめでとう、と言うべきなのかな」

初めて、魅上に呼び出された。いつも召集をかけるのは僕だったが。

知人のお嬢さんとの縁談がまとまったらしい。その女性は僕もよく知る人物で、メンバーを鼓舞し士気を上げる、豪放磊落な方だった。

社長令嬢らしく、人脈が手広くチケットや会場などに力を貸していただいた、綺麗な人だ。

「結婚するつもりはありませんでした」
「強く、求婚されたからです」

真面目くさって、そう報告する彼に、吹き出すのを堪えながら

「いいじゃないか。望まれる内が華だぞ」

そうだ。強く求められている内が…傷ついた顔を見せてしまっただろうか。魅上の顔色が変わった。

「私は今後、仕事と家庭に集中するつもりです」

尤もな主張だ。人によって大切なものはみな違う。例えば僕にとって、竜崎とメロだ。

「…だが《たった一度だけ》、家庭も仕事も捨て、どんな時も召集に応じ、命を懸けます」
「私の《使いどころ》を、間違えないでくださいね」

…馬鹿、な。お前も彼女も大事な友達なんだぞ?!そんなことする訳――

「私にとって、あなたも大事な人です。神…」



という夢を見た。友人はある程度いるが、《真の理解者》は彼だけだと思っている。心から、御二人の幸福を祈る。

【倖(竜崎×夜神月×高田清美) (さいわい)】


「おはよう、ございます…」

今朝も、彼の腕の中で目覚めた。毎日暖かくて冬の寒さを感じたことがない。

「ピザトーストで、いいですか?」

待ってよ、行かないで――ずっと、このままで。

「甘えたさんですね? ちゅっちゅっしますよ」

じゃあ僕も、ちゅっ×∞ ☆

「…ふふ。幸せですね」

ああ。おまえに触れられるの大好き。気持ちいいよ…前に、酒の席で高田が言ってたっけ。

「――いい? 男ども。女はやさしく触られんのが、好きなの! 胸ばっか揉んでんじゃないわよ。痛いのよ! この尊い教訓を、明日に活かすのよ。わかった?!」

(…な、何があったんだ。高田?)同じく??顔の魅上と目が合ったことを思い出して、笑った。

「? 楽しそうですね」

その後、高田が言ってたように触ってもらったけど、僕にはくすぐったくて、笑ってしまって駄目だった。やはり女性は繊細なんだな、と思った。

(…!!…)おまえの手、大好き。しっかり触れてくれるの、安心する――



という夢を見た。何があっても、離さない。

【雫(竜崎×夜神月) (しずく)】


「――そんな舌技では、私を堕とせませんよ?」

体を洗いながら、僕のすべてに触れられた。もう、はち切れんばかりだった。彼は浴槽に腰かけ、僕の愛撫を受けている。

くわえながら、上目遣いで見ると、彼は口の端だけで笑っていた。(…いやらしい奴。でも少しも、嫌いになれない)程なくして、彼が僕の髪を撫ではじめた。「上手い」の、サインだ。

頭上から、彼の甘い、低いあえぎ声が聞こえてくると、それだけでもう僕は、果てそうになる。だが今は、僕がinitiativeを握っている。misleadの無い様にしなくては。

(…愛してる。いっぱい出して?)

口で言えないから、目で心から伝えた――彼が、僕に与えたものは、一滴残らず受け入れる。食事も、何もかも。

「今夜も、眠れそうにありませんよ? 月くん…」

彼が笑った。それでいい、と思う。僕のすべては、おまえのものだから。



という夢を見た。よいお年をお迎えください。☆-(*^ー゚)ノ■

【滴(竜崎×夜神月) (しずく)】


「…………」

僕は、竜崎とキスするのが好きだけど、彼は僕を、舐めるのが好きだ。僕の表面上で、舐められたことのない箇所は、ない。

まぶたの上から、舌で割り入って目玉まで舐められた時は、さすがに驚いた。めちゃくちゃ感じるのは、指先を髪の中に這わせながら、額を舐められ、そこに話しかけられた時だ。

「夕・飯・は・き・つ・ね・う・ど・ん・で・す」…これだけで。こんな日常会話で、僕は達してしまった(笑)尤も、僕が少し敏感すぎるのかもしれないが。

「――ちょっと、塩っぱいですね?」

帰宅後、僕の頬を舐めながら、竜崎が言った。「…仕方ないだろう? シャワーしか、浴びてないんだ」ここ最近、徹夜続きだ。

「一緒に、風呂に入りますか? 洗ってあげますよ」

…洗うだけで、済むわけがない。もう分かっているから手短に、ね。



【雫(竜崎×夜神月) (しずく)】に続く⇒

【巣(竜崎×夜神月) (す)】


「…はあっ、竜崎…」

もっと、もっと激しく腰を打ち付けて――壊してもいい。僕を、壊して、くれ、

「んっ、どうした、んです、一体」

憎い憎い憎い憎いあいつらが――前後不覚に、してくれ、何も考えず、済むように…おまえの事だけ、体も心も満たして…

「…あっ、竜崎、あっ、あっ…」

ああ、いいよ、おまえ最高だ、他には絶対、いない、僕をこんなに、愛せる男――おまえだけ、おまえだけなんだ…《愛してる。竜崎》…

「―!―――」「――!!――」

…ほぼ、同時だった。気持ちよかった――《これが僕の日常》。大事なものだ。これ以上ぶっ壊さないでくれ。もう、【色々奪ったろ? 充分すぎる程】。

僕は、隣で眠る、この睫毛の長い男に、夢中なんだ。ほら、こうやって舌で口唇を割って、歯を舐めることもできるし、鼻の頭も舐められちゃう位、愛してるんだ…お見せできないのが、残念です(笑)

【清(竜崎×夜神月×メロ) (せい)】


 川* ̄Д ̄*川 「月くん、好きです」

 〆(*゚ー゚)ノ■ 「僕も好き!(←壮介w)」

 川* ̄∀ ̄*川 「ちゅーしましょうか」

 川 ̄)(`*)ノ■「…………」

 ∬*゚∀<゚*∬ 「なあ? 俺、腹――」

 ゚ ゚ ∬Д∬ 「――――」

 ∬゚Д<゚;∬  「――――」

 m9∬^Д<^∬ 「プキャ―」

 川* ̄)(゚ー゚;)「まづいw」

 川 ̄∀)*`ー) ∬;゚Д) 「おまえも道連れだw」「そういう冗談、止めろ」



という夢を見た。さすが新世界の女神となるに相応しいw(〓「まづいw」が好きです)高田さん、ありがとう。

【穹(竜崎×夜神月) (そら)】


「ねぇ。僕のどこが好き?」

夕食の仕度時に、ネットランキングの話題をふってみた。彼は何て言ってくれるだろう。1位の『優しい』かな?『清潔感』?それとも…

「――――」

竜崎は、僕を一瞥しただけで、プロらしく料理の盛り付けに集中していた。サラダを整えると「――答えられません」とだけ、言った。

(…え?)

氷柱が、心臓を通過したようだった。答えられない、ってどういう意味? 僕に、好きな部分は、ないってこと…

彼はその間、ずっと僕を見ていた…やがて軽く溜息をつくと、「月くんは、私の目を好きだと言ってましたね」

「ああ」「では、不慮の事故等で目を失ったら、好きな箇所のない私を、もう愛さなくなるのですか?」

何を言いだすんだ、こいつは!! 「そんなこと…僕は離れたりしない! 僕が、おまえの目になる」…竜崎は、満足げに笑った。「だから、《答えられない》と言ったのです」



「だったら《全部好き》って言えば、良かったじゃないか」夕食後、思ったことを言ってみた。
「全部、なんて。そんな曖昧模糊な単語。はかり知れませんからね…」僕は《全部好き》、なのに?

【束(月×メロ×拓男×模木完造) (たば)】


「俺、決まってるっしょ? フヒw」

他に…人選なかったのか、と思う。だが生憎、予定が空いているのは彼だけだった。メンバーは全員、同人関連イベで出払っている。しかし法律相談へ行くのに上下白のスウェット+スニーカーって、どうなんだ!?

「日常はダークだから、俺なりに印象良くしようと…」

努力を、したわけか。ありがとう。僕と一緒にいってくれる? 「…俺も行く!」その一部始終を見ていたメロが飛び出してきた。

はたから見たら、僕ら3名はどんな関係に見えるのか。スーツ姿のリーマン兄と学生弟、に返済を執拗に求める取立屋、だろうか?(笑)

順番はすぐ回ってきて「あー、このケースは駄目だね」即答、だった。「ここは良くない噂があるよ。下手すると命にかかわる。深入りは絶対やめなさい」

∬*゚∀<゚*∬ ⇒ ∬゚_<゚∬ メロの表情のこんな変化を見ていた、隣席の弁護士さんが「…お話は、ある程度聞いていたんですがね。もっと詳しい内容をお伺いできませんか?」

「初めまして。弁護士の模木完造です」



という夢を見た。模木さん頑張れ超頑張れ!

【誓(夜神月×高田清美) (ちかい)】


僕は、部屋を飛び出して、メロの部屋に向かった。もう耐える自信がなかった。

(メロが、傍にいてくれたら…)裸のまま座り込んだ。彼とは、肉体的には何もないが、見えない絆のようなもので、深く繋がっていた(ように、感じている)。

彼は、最後の一線で、僕を信用しない――その事実に絶望した。一人でいたら、泣き叫んでしまいそうだった。僕は携帯を手にした。

「…はい」「ごめん。夜遅くに…」「夜神くん? 声、どうしたの」「今から、行ってもいいかな――何もしないから」「(笑)したっていいのよ。これは冗談…鍋焼きうどん、作っとくね」



という夢を見た。メロは、ミサを姉のように慕っていた。僕にとって、高田の存在がそうなのだと、この時はじめて知った。

【夾(竜崎×夜神月) (ちかい)】


「…もう…竜崎」

前後と胸、耳朶と首筋を同時に愛撫され、気が遠くなりかけていた。あと少しで、彼にすべてを開け渡す、寸前だった――耳元で、

「◯◯◯◯(爺さんの方ではない)」冷徹な声、だった。「彼の事を、考えて」

(…!?)彼の腕を振り払い、逃れようとした。だが、離さまいと力を強められた。僕は、何度も蹴りを入れて、彼の体から離れた。

「最悪だな」あいつの顔で、最上の愉悦を得るところだった。「どういうつもりだ?」

彼は、薄ら笑いを浮かべていた。「別に――ただ、私への愛情が強いのか、快感を得るなら、あのバカでも良いのか、知りたかっただけです」



【誓(夜神月×高田清美) (ちかい)】に続く⇒

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