◇ ◆ 薦 蓮 集 ◆ ◇
【め】 1件
【繞(夜神月×アイバー×リンド=L=テイラー) (めぐる)】
「…工口い声、だろう?」
ティエリ=モレロ氏(通称アイバー)は、満足気だった。僕に発掘したての原石を、品定めして貰いたいのだ。
確かに。目を閉じて聴くと、あの声のようだ。昨晩のことを思い出して、体が熱くなった…その様子を、彼は、勘違いしたみたいだ。
「…ん? 若いって、いいねえ(笑)」
「しかし、安定しませんね」無視した。
「ああ。飲まなきゃ歌えないんだってさ」
「酒、ですか」…駄目だな。「残念ですが」
「まあそう言わず。ちょっと――こっち来なよ」
近付いて来る彼を、なんの気なしに眺める――誰かに、似てる。
「リンド=L=テイラー君だ。こちら夜神月さん。挨拶して?」「…はじめまして」
大人になった、メロのようだった。いや、彼はこんなに草臥れてない。だが凄絶な色気があった。メロには、無かったものだ。(年齢的に、当然なのだが)
「酒は、やめられる?」何を言ってるんだ、僕は…「すいません、無理です」
禁酒できたなら、ここへ連絡して――名刺を置いて、アイバーと外に出た…「酷い目に遭ってるな。約束通り、全面的に協力する」
という夢を見た。沖縄行きは、まだ遠そうだな(笑)
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