◇ ◆ 茶 恋 詞 ◆ ◇


【J】 1件

【Jomoklungsma】
大地の母神


「プレゼントです」…いつも、何もかも突然だ。包装のない小瓶を手渡された。「包みは邪魔なので、剥いて捨てました」

この、かわいらしいデザイン…女物?「そうですが、香りが気に入って買ったんです――さぁ、纏ってみてください」

(いつになく、強引だなあ…)つけた最初は、白粉のような上品な匂いなのに、段々砂糖菓子みたいに、甘ったるく変わっていく。

「…焼菓子、みたいだ」あの時の――ベッドでした強引なキスを、ここでもされた。(いい匂い。気持ちいい…)天に昇るような幸福感に満たされた。

「大好き。ずっと一緒にいて?」ばかなことを、口走ってしまった――彼の心は自由で、同性同士。ただ、あんまり幸せだったので…醒めない夢を、永遠を願ってしまった。

「…………」上司のアイバーに心惹かれる彼は、少し困惑していた。だが、僕の耳朶に唇を寄せると、

「――私の、《本当に欲しい物》を手に入れて、彼を超えられたら、身も心も、月くんだけのものになりますよ…」低くて、甘い囁きだった。



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