◇ ◆ 薦 蓮 集 ◆ ◇


【り】 1件

【律(夜神月×魅上照) (りつ)】


「…このホテル、か」

大事な話があります、魅上に呼び出された――彼と2人きりで会わないように、と前々から竜崎に念を押されていた。

だが、こんな事態だ。何か急を要することが、あったのかもしれない。心配になり、待ち合わせのバーラウンジへ向かった。

魅上はカウンターにいた。隣に座り、「サザンカンフォートのソーダ割りを――どうした、大丈夫か?」肩を叩いた。

彼は、撃沈していた。「神。私達はもう倦怠期なんです」(けんたい、って結婚もまだじゃ…)「どうしたらアガれるのか、雰囲気作りできる音楽とか、教えてもらえませんか?」

孫を産まなきゃならないんですと、さも自分が産むみたいな、変な言い方をしたので可笑しかった…だが、彼は深刻の様子だった。僕でよければ、手助けしたい。

鞄から、システム手帳を取り出すと、「ロビー・ネヴィルの C'est La Vie」「ジョン・テイラーの I DO WHAT I DO(9 1/2 NINE HALFサントラ)」「フランキーなんとかって人の Relax」

と書いて、彼に渡した。「…でも、こういうのって、人によって違うんじゃないのか? 好きなリズムとか」「いいんですよ。ありがとうございました」



という夢を見た。上手くいくといいな、と思った。



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