◇ ◆ 薦 蓮 集 ◆ ◇
【の】 1件
【幟(竜崎×夜神月) (のぼり)】
「私の、勝ちですね…」
ついて来るように、無言で促された。いつも、そうだ――要求があると、自らに圧倒的有利な賭けを、僕に仕掛けてくる。
ベッドの前で立った。「ここで、脱いで。“可愛がって下さい”と言いなさい」「私の、気がすむまで」
(はぁ? 疲れてるのに馬鹿じゃないのか)「…勝ちは、勝ちです」彼は、ベッドに座った。
服を脱ぐ――1枚、1枚、床に落とす様を彼に…凝視されている。妙な恥ずかしさで、緊張する。
少し、上気してしまう。「“可愛がって下さい”」目をそらして言った。「駄目ですね――私が、“いい”と思うまで」
僕も、床に座った。(どうすれば、いいんだよ?)「可愛がって。お願い」「嫌ですね」
(どうして、そんな冷たい事言うの?)「ねぇ、お願い。触って」「触りませんよ」
僕は、泣きそうだった――「いい子にするからあ。“可愛がって下さい”」…心底から搾り出した、《本音の声》だった。
彼は絶対支配者のような顔で、瞳に暗い光をたたえている。「…いいでしょう」服を脱いで、僕をベッドの上にあげた。
それからは――こんな快楽があるのか、という程、気持ちよくて、たまらなかった…身も心も、彼だけのものだ。僕のすべては、【完全に支配された】。
という夢を見た。まあ、夢だから(笑)
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