絵本

□銀河鉄道の夜
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片道切符一人分
ポケットに入れて
そんなに急がなくても
いいのにって思うけど
貴方は行ってしまった。


遠い遠い南十字。


きっとずっと
一緒だよ、僕たち。
『だからお前もさ、』
そんな約束も
貴方と小指絡ませた瞬間は
確かに輝いたのに。

ねぇ貴方、ここから
見える星は小さいね。
皮肉な話さ、
ちっぽけなのは
僕のほうなのに。
こんなふうに
目の前で見るまで
事の重大さにも
気がつけないで
いるんだろう。
距離ではじめて
思い知るんだろう。
貴方のとなりが
当たり前過ぎたから
それはもう日常と言う名で
しっかり根付くほどに。

貴方が離れたその日から
日常は非日常に変わり
根っこも千切れて僕は
ただ枯れていくの?


なんだかんだで
生きてる自分が嫌い。

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