振り

□恋模様
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「なあ花井、手繋ご」

「えっ」


「…嫌なの?」



ううっ!

そんな目で見るな!


無意識なのか狙ってるのかすらわからない。


「…い、嫌じゃないです」


「うへっ」

田島が俺の腕にしがみつく。

手を繋ぐというより寄り添ってる感じ。


「たっ、田島!」


「んー?」


だからその上目遣いはやめてくれ!



「なんか、恋人みたいだなー」


何言ってんだ。


「恋人だろ?」



「うひっ。花井が言ってくれるとなんか嬉しい」


そんなこと言われたらこっちの方がが嬉しいじゃないか。


「そうか」


「うん…。すんごく幸せ」


「俺もだよ」


「花井、だあいすきー」


もっと強く俺の腕を抱き締めた。


そんなことされたら理性が飛んでいきそうだ。



「田島。家戻ろ?ヤりたいかも」


「花井珍しいー」


お前がそんなかわいいこと言うから。


「いいよ。気が済むまでヤろう。明日、休みだし」


「そんなかわいいこと言うなよ」


堪らない。


「さっ、花井!早く帰ろっ」


俺の手を引っ張ってく。


「ちょっ!田島待てっ」


「待てない!」



ほらまたそんなかわいいことを。



「田島!」


「なんだよ!ヤりたくねえのかあ!?」


「ばっ…!でっけえ声で言うな!」


「いいだろ!花井エロい!」


「うるせえ!」



なんだこの会話は…。

周りから見たらすんごいバカップルなんだろうなあ。


自覚なんてないのに。




無意識なのにこんなに田島を愛してる。


こんなにも愛しい。



「花井っ」


顔を上げればそこには眩しいほどの笑顔。






「好きだよ」




夕日に沈む君の笑顔。

こんなにも愛しい。


「俺だって」



好きだよ。






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