振り

□Ave Maria
1ページ/2ページ

愛したいなら愛せば良い。

神を信じるなら信じれば良い。

後ろめたいなら裏切れば良い。



殺したいのなら殺せば良い。



「あっ…ん…っ」


「準さん…、準さんっ」




切ない、切ない。


何もかも身を任せようか。




『Ave Maria』



ロザリオを握りしめる。

ばあちゃん、許して…

俺は、俺は…





「…ぉ!利央!聞いてんのか!?」



「はっ…はい」





「………やっぱいい」


「え、ちょっ、言って下さいよ」




なんでそんな目で俺を見るの?


哀しそうな…

こっちが切なくなる。


「別れたいんなら別れて良いよ」



「え?……な…んで?」


なんでだよ。

なんでそうゆうことを…



「お前、後ろめたいんだろ?」


「っ…!」


そんなの…



「天罰かなんか降るのかよ?」



そんなの準さんのためだったら別にどうって事ないのに。



「違う…」


「あ?」


「俺は、準さんのためだったら死ねる」




準さんは何もかも見透かしてるの?


それとも俺の考えることが単純なだけ?



俺は神様に勝てそうもないから。


ばあちゃん、このことは秘密にしといてくれ。

俺は今、準さんのために生きてるんだよ。


俺が生きるか死ぬかは彼次第。

死ぬまで俺は彼に這ってでもついてゆこう。









アーメン。




≫end

→後書き
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ