振り
□あの子のための
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かわいい、かわいい。
お前がすごく愛らしい。
『あの子のための』
朝。鳥の鳴き声と共に目を覚ます。
「ん…」
おおきく背伸びをして横を見れば愛しい恋人の寝姿。
かわいい。
まつげが長くって綺麗な肌で淡い色でふさふさな髪の毛。
すべてが愛しい。
静かに行儀良く眠る姿にどれだけ見とれていただろうか。
「んー…」
寝言と共に栄口が寝返りをうったとき、やっとのことで我に返った。
はっ!
いかんいかん!!
見とれてる場合じゃない!!
昨日、栄口が俺の家に泊まって、最近ヤッてなくて久々のセックスでついつい止まらなくて栄口にすっごい無理させちゃったから…、栄口すごい疲れてるはず。
栄口とヤると止まらないんだよね。
なんてったって、かわいい。
俺の下で喘ぐ顔。
キスした後のとろけそうな顔。
イった瞬間の顔。
何をしてたって。
誰にも負けないくらい。
かわいい…。
そんでもって、そのかわいい子に昨日無理させちゃった分俺が腕によりをかけて、朝ごはんを作っちゃおうってわけ。
ふみき偉い子。
何つくろうかなー。
やっぱ、和食?
俺、そんな大したもの作れないよ?
玉子焼きくらいは作れるか。
あと…、
「なーにしてんの?」
「うえっ!?」
振り向けばそこに栄口がいた。