虚域夕刻
□終わりの始まり
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「・・・っう!」
ドクン、と血が逆流するような感覚。
「がはっ・・・む、くろ・・・?」
周りを見回しても、そこには屍しかない。
そして、その中に“骸”と呼ばれる人物のものもあった。
それをみつけ、彼は目を見開く。
自分の傷も省みず、彼はその死体に這い寄った。
「そ、んなぁ・・・骸ォ!!!!」
くそ、くそぉ!と叫びながら地面を叩く。
痛みで麻痺したのか全く感覚がない。
死ぬんだ、ということを実感した。
「ぐぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
尾が九本ある化け物が、咆哮を上げる。
「もう、駄目っだぁ・・・」
意識は闇に引きずり込まれ、彼の目は二度と開くことは無かった。