頂き物

□ありがとう
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【ありがとう】

男同士で司令と副司令であれば対立は日常茶飯事だ。
些細なことからMSFの運営方針、果てはプライベートなことまで。
そこへさらに肉体関係的なことまで入ると喧嘩のタネにはことかかない。

「お前、借りにも副司令だろうが?」
「……それが?」
「だったら、あんなことがあれば隊内の空気が悪くなることはお前が一番よく分かってるはずじゃないか」

MSFのサブリーダーでそのうえ男前。これで女にモテないわけがないのは分かるが……。

「第一こういうのはお前が一番嫌っていただろう?」
カズは腕を組んで黙りこくったまま他所を見ている。
目を合わせようと回りこんでみても目を反らされる。
第一俺だってこんなのは苦手なんだ!とスネークは叫びだしたくなる。

殴り合いの喧嘩ならいい。
これでカズに悪いところがあると分かるなら一発殴って粛清して終わりにだって出来る。
しかし今回は何も語ってくれない。
これでは手の出しようもない。殴るのだって好きでやってるわけじゃない。
好意を抱いている相手を無駄に傷つけたくはないし、己の拳だって痛い。

「カズ……」



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