NOVEL

□イツワリ(ラビ→リナリー)
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冷たくはなかった。

寂しくもなかった。


「ラビ!」


君の笑顔は、他人にも平等に向けられるもので


「おっ、何さ?」


俺の笑顔も、他人に平等に向けられるもので。


そこに 天と地程の差があると知りながら
また 君に偽った笑顔を向ける事


「さっきアレン君がよんでたわ」

「ありゃ、それはありがとさ」


感情を向けてはいけないと知りながら
君に 感情を向けてほしいと願う事


冷たいとは思わなかった。

寂しいとも思わなかった。




ただ、
決して近くなく、遠いだけのその距離。


(酷く切ないと 思っただけで。)


そう、
俺の心は君に向ける為のものじゃない

(だからといって 向けてよい他人が居る訳でもないけれど。)


「ふふっ」

「ん?どしたさ?」

「ラビって 表情豊かだなぁって思って」

「…そんなことないさぁー」

「そんなことあるわ」

「ま、そのお言葉は有り難く頂戴するさ」


また君に偽りを向けることしかでにずに。

そうまでして君に嘘の自分をみせるくらいなら

それならいっそ、
全て終ってしまえばいいのだと。


そう、願ってしまう事は
やはり罪なのだろうか?







(愛することは許されない)



-fin-


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