02/25の日記

01:53
かなり先の「ファントム」話
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  ポツッ
 
 
 
「『ん?』」
 
 
「雨・・何か降ってたか?」
 
 
『いや、さっきまで晴れてたけど・・・』
 
 
 
そう言って窓から這い出るユエとグレイ。
 
 
辺りをキョロキョロと見回していると、
 
 
不意に声が聞こえた。
 
 
 
「しんしんと・・・」
 
 
「『!!』」
 
 
「そう・・・。
 ジュビアはエレメント4の一人にして雨女。
 しんしんと・・・」
 
 
「『・・・エレメント4』」
 
 
「まさか2つのエレメントが
 倒されるとは思ってなかったわ。
 しかし、
 ジュビアとアリアは甘くみない事ね」
 
 
 
そう言ったジュビアという女性は、
 
 
傘を差して登場した。
 
 
ユエは上に羽織ったコートのフードをかぶり、
 
 
若干雨避け対策をしている。
 
 
 
『悪いけど、
 女、子供でも容赦するつもりはないよ』
 
 
「仲間を傷つけるならな」
 
 
 
多少顔が見えるようにフードを少し上げる。
 

と、ジュビアは顔を赤くさせてクルリと背を向けた。
 
 
 
「そ・・そう・・・。
 私の負けだわ・・・。
 ごきげんよう」
 
 
「オイオイオイッ!!
 何じゃそりゃ!!」
 
 
『ちょ、待ってよ!!』
 
 
 
バッと二人同時に手を出し、ジュビアを追う。
 
 
が、クルリとこちらを向くと、
 
 
ジュビアは手を突き出した。
 
 
 
「水流拘束(ウォーターロック)!!」
 
 
 
  ザパァ
 
 
二人は同じ水の玉に入れられ、
 
 
身動きが取れなくなった。
 
 
  ブシュッ
 
 
グレイの脇腹から血があふれる。
 
 
 
『グレっ・・・!!』
 
 
「だい・・、じょぶ・・・」
 
 
「まぁっ!!
 怪我をしていらしたなんてっ!!
 ど・・どうしましょっ!!
 早く解かなきゃっ・・・」
 
 
 
  パキィインッ
 
 
素早く水を凍らせて砕く。
 
 
と、ふらつきつつも着地は成功した。
 
 
 
『グレイ、大丈夫?』
 
 
「いっつ・・・」
 
 
 
ばさっと着ていたYシャツを脱ぎ、
 
 
ユエの前に立つグレイ。
 
 
乗り込む前に“無茶するな”とは言ったものの、
 
 
結局は傷口が開いてしまっているのだ。
 
 
 
「変な心配してんじゃねぇよ・・・。
 アイスメイク“槍騎兵(ランス)”!!」
 
 
 
  ザザザッ
 
 
攻撃をしたものの、彼女の身体を突き抜け
 
 
氷は後ろの床に当たって壊れた。
 
 
 
「『え?』」
 
 
「ジュビアの身体は水で出来ているの。
 しんしんと・・・」
 
 
「水だぁ!?」
 
 
『攻撃が当たらないのはそのためか・・・』
 
 
 
納得したように頷くユエ。
 
 
グレイは唖然としたまま彼女を見ていた。
 
 
 
「さよなら2輪の小さな恋の花!!
 水流斬破(ウォータースライサー)!!」
 
 
「何言ってんだコイツ!?」
 
 
『くっ!
 アイスメイク“盾(シールド)”!!』
 
 
 
  バシャンッ
 
 
ユエが咄嗟に造り出した盾により、
 
 
グレイが技を直撃する事はなかった。
 
 
造り出した盾の上に立つと、
 
 
また技を繰り出す。
 
 
 
「アイスメイク・・、“戦斧(バトルアックス)”!!」
 
 
「!!」
 
 
 
それでも打撃はジュビアに効いていない。
 
 
 
「あなたたちはジュビアには勝てない。
 今ならまだ助けてあげられる。
 ルーシィを連れて来て頂戴。
 そうしたら
 私がマスターに話して退いてもらうわ」
 
 
「オイ・・・。
 ふざけた事言ってんじゃねぇぞ」
 
 
『じっちゃんやレビィたち、
 ギルドを壊して言うセリフとは思えないな・・・』
 
 
 
ギッと睨みを利かせてジュビアを見る二人。
 
 
 
「ルーシィは仲間だ!」
 
 
『命に代えても渡さない!!』
 
 
 
そう宣言すると、ジュビアは傘を落とし、
 
 
グスッと鼻を鳴らした。
 
 
 
「『!ι』」
 
 
 
フルフルと震えて僅か数秒、
 
 
彼女は身体を火照らせた。
 
 
 
「ジュビアは許さない!!
 ルーシィを決して許さない!!」
 
 
「あちっ!!
 熱湯!?」
 
 
『グレイ、ちゃんと羽織ってて。
 僕が彼女を食い止める』
 
 
「なっ・・、お前ッ!?
 お前だって火傷するぞ!?」
 
 
『火にも負けない氷の魔導士とは僕の事だよ?』
 
 
 
ニッと笑うと、先程出てきた天窓へ入った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「シエラァ!!」
 
 
『っく!
 アイスメイク・・“盾(シールド)”!!』
 
 
 
熱湯から身を守るため、盾を造るユエ。
 
 
が、その氷は解かされてしまった。
 
 
 
『Σげっ!』
 
 
「ジュビアのジェラシーは煮えたぎっているの!!」
 
 
『何つー誤解!ι』
 
 
 
  ザザァ
 
 
ジュビアの熱湯がユエを包んだ。
 
 
 
『くっ!』
 
 
 
  ドッ
 
 
 
「!!
 ユエ!!」
 
 
『まだまだっ・・・!!』
 
 
 
ガッと熱湯に腕を入れ、ジュビアの熱湯を凍らせる。
 
 
全体が固まる前に背中を床に打ち付けたユエだったが、
 
 
なんとかすべて凍りついたらしい。
 
 
 
『どーよ?』
 
 
「お、オイオイユエ!!///
 手、手!!///」
 
 
『へ?』
 
 
「こんなところを・・・///」
 
 
『Σ!!///』
 
 
 
う゛ー、と唸りつつも氷からジュビアを解放するユエ。
 
 
とりあえず仕切り直し、
 
 
と念を押して戦闘を開始させようとした。
 
 
―――が。
 
 
 
「ダメよ・・・」
 
 
「『?』」
 
 
「ジュビアにはあなたたちを傷つける事が出来ない」
 
 
『はい?ι』
 
 
「傷つけられねぇ・・って、
 勝ち目はねぇって言うのかよ?」
 
 
「違う・・・。
 ジュビアはルーシィより強い。
 ジュビアならあなたたちを守ってあげられる」
 
 
「守る?」
 
 
『何で僕たちを』
 
 
 
ザザザ、と雨脚がだんだん強くなってきた。
 
 
 
「ジュビアじれったい!!///」
 
 
「ってか雨、強くなってねぇか?」
 
 
『ホント・・・』
 
 
「ったく・・、うっとうしい雨だ・・・」
 
 
 
その言葉に、ジュビアの動きが止まった。
 
 
  ボンッ
 
 
またしても突然、ジュビアは熱湯化した。
 
 
 
「来るなら来やがれ!!」
 
 
 
ジュビアはそのままグレイを襲い、
 
 
そのまま上に放り投げた。
 
 
 
「うわぁぁあああッ!!」
 
 
『んだよ・・、突然・・・』
 
 
 
ぼそりと呟くユエ。
 
 
次の瞬間、カッとユエが光った。
 
 
 
「「!!」」
 
 
『僕は・・、僕たちは・・・!!
 ファントムに負けられないんだよッ!!』
 
 
 
  キィイッ
 
 
 
『氷欠泉(アイスゲイザー)ッ!!』
 
 
 
グレイが再びジュビアの熱湯に触れる寸前に、
 
 
ユエはグレイを突き飛ばして技を発動した。
 
 
ジュビアの熱湯どころか、
 
 
雨までをも凍らせる魔力をユエが使った。
 
 
  パキィインッ
 
 
ジュビアを閉じ込めた氷が割れた。
 
 
 
『トドメ』
 
 
「ひっ・・・!!」
 
 
 
スッと倒れたジュビアに近づいて手を翳す。
 
 
―――が。
 
 
  ドッ
 
 
 
「どうしちまったんだよ、ユエ!!
 こんなの、お前らしくねぇ!!」
 
 
『うるさい、黙れっ・・・』
 
 
「ユエ!!」
 
 
『聞こえねぇの「ユエッ!!」
 ・・・!!』
 
 
 
今にも泣き出しそうなグレイの声にユエは動きを止めた。
 
 
 
「え・・・」
 
 
『・・・・・・っ』
 
 
 
ギリッと歯を食いしばる音がした。
 
 
そしてふとグレイが空を見上げる。
 
 
 
「お!
 やっと晴れたか!」
 
 
 
その声を聞いてやっとユエは空を仰いだ。
 
 
 
『ごめんね、ジュビア。
 立てる?
 それとも、まだ戦う?』
 
 
「(や、優しいッ・・・!!)
 イエ、モウ十分デス・・・!!///」
 
 
 
そう言うとジュビアは目をハートにして倒れた。
 
 
―――煉獄砕破(アビスブレイク)発動まで後3分。
 
  残るエレメント4は後一人!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――end―――
 
 
はい、ジュビア戦の二人ですv
 
その内小説でupしますよ?
 
―――当分先だと思いますが。
 
ではまたv
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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