ゲゲゲ妖怪千物語

□第六章.くびれ鬼
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【きっちゃん、乗って】
 
 
「レナ!?」
 
 
【連れてってあげるわ、くびれ鬼の世界へ】
 
 
 
いつの間にか妖狐の姿へと変化したレナが言う。
 
 
その言葉に鬼太郎は頷き、レナの背に乗った。
 
 
滑るように空を駆けるレナ。
 
 
そして―――ある森へと辿り着いた。
 
 
 
「ここ?」
 
 
【えぇ。
 でもまだ目的地じゃないわ。
 きっちゃん、目を閉じてしっかり掴まってて】
 
 
 
レナの言う通りに目を閉じて掴まると―――。
 
 
  ブワッ
 
 
瞬間、強風が吹き―――目を開けると、
 
 
くびれ鬼の世界へと入っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「AYA自身にも絶対効くよ!
 予言するよ!!」
 
 
 
必死に言うアマビエの姿が見えた。
 
 
が、それと同時にくびれ鬼がアマビエを襲おうとしている姿も。
 
 
 
「レナ急いで!!」
 
 
【分かってるわ!】
 
 
 
スピードを上げると同時にAYAの意識が戻ったが―――。
 
 
くびれ鬼がアマビエを捕まえ、投げた。
 
 
 
【間一髪!】
 
 
「くびれ鬼―――ッ!!」
 
 
 
レナはアマビエを助け、
 
 
鬼太郎が下駄でくびれ鬼を攻撃する。
 
 
 
「鬼太郎さん!」
 
 
「もう大丈夫ですよ。
 僕とレナが来ましたから」
 
 
【悪しき心を持った妖怪、くびれ鬼。
 あなたを掃い清め妖界へ送ります」
 
 
 
トン、と人間姿に戻り五芒星のペンダントを掲げる。
 
 
待ってくれ、とくびれ鬼が叫ぶが、
 
 
問答無用でくびれ鬼を妖界へと送った。
 
 
 
「・・・・・・ふう。
 これでいいのよね?」
 
 
「ありがとう、レナ」
 
 
 
久々にかなりの妖力を使ったのか、
 
 
フッとレナの体が揺らいだ。
 
 
間一髪鬼太郎が支えると、レナはニコリと笑った。
 
 
 
「さて、人間たちを集めて出ましょうか。
 この世界が崩れ始めてるわ。
 きっちゃん」
 
 
「うん、集めてくるよ」
 
 
「よろしくね♪」
 
 
「あのっ、レナさん」
 
 
 
AYAに呼ばれ、ニコリと笑って振り返る。
 
 
AYAは、ありがとうございます、と言った。
 
 
 
「それであの、お礼は・・・」
 
 
「いいのよ。
 私は大したことなんてしてないわ。
 しいて言うならそうね・・・
 アマビエ、」
 
 
「なんだい、レナ?」
 
 
「この子に会いに来てもらえないかしら?
 あの占いの館でいいからさ、」
 
 
「・・・・・・、はいっ!」
 
 
 
ニコリと笑って言うAYAに、
 
 
アマビエも笑う。
 
 
そんなアマビエの違和感に気付き、ドレスは、とレナが聞いた。
 
 
 
「Σはっ!」
 
 
「え?
 ・・・・・・アマビエさんの体って可愛いですね!
 お魚さんみたいで!」
 
 
「AYAちゃん・・・
 でもね、アタイは人魚!
 人魚なんだからね!」
 
 
「ふふ、ごめんなさいι」
 
 
「よかったわね、アマビエ。
 人間の子とお友達になれて!」
 
 
「うん!」
 
 
「あなたは・・・」
 
 
「私、これでも半妖なの。
 普段はこんなナリだけど、さっきも見たでしょう?
 狐に化けたり出来るのよ」
 
 
 
ニコリと笑って言うと、凄いですね、と言った。
 
 
 
「ぁ・・・、アマビエさん、
 ケータイのアドレス交換しませんか?
 お仕事の都合で次いつ会えるか分からないので・・・」
 
 
「でも、アタイケータイは持ってないんだよ・・・」
 
 
「そうなんですか・・・」
 
 
「アマビエ、はい」
 
 
 
そう言ってレナはケータイ電話を差しだした。
 
 
 
「え!?
 れ、レナ、アタイにくれるって言うのかいっ?」
 
 
「持ってた方が便利でしょう?」
 
 
「あっ・・・、ありがとう、レナ!!」
 
 
 
ぎゅ、と抱き付くアマビエに、よしよしと頭を撫でる。
 
 
早速アドレスを交換し、狂喜乱舞していた。
 
 
 
「ふふ、アマビエったら・・・」
 
 
「あの・・・、レナさんともいいですか?」
 
 
「・・・、いいわよ♪」
 
 
 
ニコリと笑ってケータイを差しだし、
 
 
二人分のアドレスを受け取ったAYAは、
 
 
ありがとうございます、と笑って述べた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
後日―――。
 
 
 
「ほら、早く早く!
 遅れちゃうよ!!」
 
 
「待ってよアマビエー!」
 
 
「ふふ、元気になってよかったわね!」
 
 
「あまりはしゃぎすぎて転ぶと危ないわよっ!」
 
 
 
人間の姿にしてもらったアマビエと、
 
 
レナ、ネコ娘、ろくろ首の姿が
 
 
AYAのコンサートがあるホールの近くで走る姿があったとか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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