ゲゲゲ妖怪千物語

□第五章.妖怪アイドル!?
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「鬼太郎、レナ!!」
 
 
「どうしたんだ!?」
 
 
「・・・・・・やっぱり」
 
 
「「「!?」」」
 
 
 
鬼太郎の前に立ったレナは、砂かけ婆を見て呟く。
 
 
その言葉に全員が反応した。
 
 
 
「やっぱりって?」
 
 
「レナ、どういう事?」
 
 
「あれは・・・あの矢はね、
 西洋妖怪に伝わる“皆殺しの矢”と呼ばれるものなの。
 少しでも掠めたが最後、
 あの気以外の者全てが壊れるという代物よ。
 昔、家の書庫で読んだんだけど、
 あの金色の矢がそうだとは・・・」
 
 
「「「ぇえ!?」」」
 
 
 
全員が驚いてレナを見る。
 
 
その間にも、レナはブツブツと呟く。
 
 
 
「おばばは砂だから、おそらくこれは灰・・・
 灰・・・、触れられると灰になる・・・
 一体どうすれば・・・」
 
 
 
  バッ
 
 
砂かけ婆が砂をレナに向かって投げた。
 
 
が、考えつつも持ち前の反射神経で避けたため、
 
 
灰になる事はなかった。
 
 
 
「・・・・・・・・・
 とりあえず止めるわよ、きっちゃん!」
 
 
「あぁ!」
 
 
 
凄い勢いで進み出した砂かけ婆を追うため、
 
 
二人は屋根へと上った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「行くわよ、鬼太郎!」
 
 
「あぁ!」
 
 
 
レナは呪符を、鬼太郎はちゃんちゃんこを構える、が―――。
 
 
  ピシャッ
 
 
 
「閃いたよ!!
 水だよ、水があればおばばは助かる!!」
 
 
「水!?」
 
 
「・・・、そうか!!
 “水(スイ)”!!」
 
 
 
呪符をレナと鬼太郎の真上に放り投げ、
 
 
自分たちで浴びる。
 
 
と、向かって来た砂かけ婆をレナは素手で止めた。
 
 
 
「“濡れてると灰にならないから
 水があればおばばは助かる”!!
 アマビエ、助言ありがとう!!」
 
 
 
レナは叫ぶとそのまま砂かけ婆を川へと落とした。
 
 
鬼太郎も同じく川へ飛び込む。
 
 
 
「引き抜くんだ!
 行くよ、せーのっ!!」
 
 
 
ぐいっと両方から引っ張れば、
 
 
砂かけ婆と蜘蛛の足のようなものは分離された。
 
 
が、今度はアマビエに乗っ取ろうとした。
 
 
 
「予言するよ!!
 お前は、道端に吐き捨てられて消えるッ!!」
 
 
【笑わせるな!!
 そんな事、あるワケが―――なッ!?】
 
 
 
鬼太郎が悪霊を吸い込み―――。
 
 
そして、池の外へと連れ出した。
 
 
 
「すんげぇ・・・ι」
 
 
「さすがきっちゃんね!」
 
 
 
パン、と両手を合わせて喜ぶレナ。
 
 
いつの間にか自身に術を掛けていたらしく、
 
 
余裕のある笑顔だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「おぉ、見事なもんじゃ!」
 
 
「水中だったから、
 僕を乗っ取る事も出来なかったようですね。
 飲み込んで唾液で固めてやりましたよ」
 
 
 
  ガッ
 
 
下駄で固めた悪霊を踏みつぶすと、
 
 
悲鳴を上げてソレは消えた。
 
 
 
「さすがはレナと鬼太郎じゃな!」
 
 
「レナ・・・鬼太郎・・・?」
 
 
「今回はアマビエたちのおかげだよ。
 ね、レナ?」
 
 
「そうそう。
 私も危なかった―――」
 
 
 
  ガシッ
 
 
アマビエは鬼太郎とレナに飛び付いた。
 
 
 
「「Σげっ!」」
 
 
「お目が高いよ鬼太郎、レナ!
 うん、アンタらは何かスターっぽい!」
 
 
「キタ、逃げよ!ι」
 
 
「う、うん!ι」
 
 
 
それから約一週間、
 
 
三人の追いかけっこがあったとかなかったとか―――。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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