RAINBOWS
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時の流れは早いもので…
季節はもう夏になり
ジリジリと太陽が輝き、蝉の鳴き声をBGMに
「あぁぁぁづぅぅぅいぃぃ…」
「やめてよまい…
なんか余計に暑くなるから」
私たちは夏休み1週間前を迎えていた
(あ、暑すぎて死にそう…)
絶え間なく流れてくる汗で、服が肌にへばりついてくる鬱陶しさに
眉間に皺をよせて太陽を睨む
ちなみに今はお昼休みで、
愛と一緒に食堂へと続く中庭を歩いていたりする
学校の中は多少は涼しいんだけど一歩外に出れば
太陽が容赦なく照りつけてくるから暑くて仕方なくて
「あ゛〜…あつい…」
さっきから暑い暑いと連呼する私に
愛が呆れぎみの視線を向けてきた
「だから暑い暑い言わないでよ」
「愛、だってこの暑さ尋常じゃないよ…?」
「まぁそうだけど…」
この季節は私も苦手だし」
「ふぅ〜ん…やっぱり"魔法"も季節に関係したりするの?愛の魔法って冬って感じだし」
「そうねこの時期、私の魔法はたいして使いものにならないわ」
そう言って愛は右手に氷を出現させた
けどすぐに氷はシュゥゥと音を立てて溶けてしまう
「うわっ本当だ…すぐとけちゃうね」
「魔法が開花したら多少は使えるようになるのかも知れないけど…私もまだまだダメね…」
「開花ねぇ…」
あれ?魔法の開花ってなんだっけ?
なんかどっかで聞いた事あるような…
ま、いいか……
(それにしても、暑い…)
愛と2人してため息をついて
私がもう一度太陽を睨み付けてやろうと
上を見上げたその時………