キリリク
□もこ様からの100番リク
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100番キリ番、もこ様のリク
高校はいわゆる進学校。しかも俺は特待生で学費免除。
ヤツも特待生で学費免除。
高校1年の中間試験から、二人で2位になったことがない。
双方ともに全教科100点。
これは実は、3年の最後の試験までずっとになる。
自分も自分ながら、相手も相手で、全く気になっていなかったらしい。3位になったヤツは無茶苦茶気にしていたけどな。
あいつが何をしてる?全く気にならない。たまに学校にふらりと来て、ふらりといなくなって、またいる。俺も同じだ。知り合いはいても友達はいないだろう。俺も、あいつも。
やることないから2週間ほどパソコンで少し「社会勉強」をした。とりあえず、高校卒業までゆっくりと遊んで暮らせるだろう。
あいつは晴れの日には来ない。何故なら先天的なアルビノ体質。瞳は赤く、肌は白い。銀髪ときたらアルビノだ。夏はテスト期間しか来ない。故に、曇りや雨の日に来ることが多い。
いつしか、ヤツのことをこう呼び出した。
「嵐のデュフォー」
…ネーミングセンスは無いと思うけど、何故か納得してしまった。ドラマーを叩く姿を思いついたけど、アイツはドラムなんてタマじゃない。
暴走族同士のケンカに入っていき、そのまま無傷で通り過ぎるような男だ。嵐の渦中に入っていっても無表情無アクションで通り過ぎることのできるヤツ、それが、デュフォーだった。
まぁ、俺、嵐とか嫌いじゃないからなー。
近所の高校が進学校だったから、そこに入ったら、お金はいらないと言われた。
テストはいつも1位。2位にはなったことがない。2位はちなみに最後までいなかった。全教科100点で、それと1位だったからだ。
金は適当にどうにかしたらどうにかなる。
ただ、学校に行こうとしたら、気づいたら違うところに行ってしまう。帰ろうとして帰れなくなって色々なつながりができてしまったことは確かだ。
面倒だからほっぽっておくとなにやらの関係でつながってくる。面倒だ。
そんな時、あれはどう対処するだろう。
俺は晴れの日はあまり好きではない。…いや、苦手だ。俺が俺用に作った日焼け止めを塗っても、それでも日光は俺を焼く。アルビノ体質というのはこういう時面倒だ。
誰かが言っていたのを思い出す。
「晴天の高嶺」
曇りの日に行くと、たまにそれを見かける。まぁ、あの口の中に虫が入らないかと思うくらい楽しげに笑う。晴れ渡った青空はあんな感じなんだろう。
くもひとつない、なにもない、孤高の存在。友達とかはいないだろう。
どこかの高原でみたことがある、晴天。
ああ、それは見てみたいかもしれない。俺には難しいけど。
俺とデュフォーは、どこかですれ違い、そしてどこかに行くのだろう。
アレと俺は、どこかですれ違い、そしてどこかに行くのだろう。
『その答えは、まだ見つかっていない』