小説■第六巻■

□修羅場の門
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『いらっしゃいませ』
一人で風俗業をはじめて数カ月
正常位と駅弁をこよなく愛する男、孝介へのプレゼントは
三本一発駅弁ファックし放題だったのです。



【修羅場の門】



読者の皆様はDKリフレなる業種をご存知だろうか。
そう、ご想像の通りJKリフレの進化版である。
JKリフレとは女子高生(もしくはそれに準ずる年齢の者)がリフレクソロジーの担い手として接客をする、限りなく違法に近い風俗業であるが、これが少女売春の温床として規制強化されたことは記憶に新しい。
表向きはリフレクソロジー。つまり肩もみや耳かき、膝枕などで客にリラクゼーションを感じてもらう。
他にはお散歩と称して街をぶらぶらと歩くなどといったサービスもあるのだが、しかしその実態は裏オプと呼ばれる裏オプションの隠れ蓑であり、少女たちは多額の金額を客とやりとりし体を売っているのである。
お散歩に至っては店側はただお散歩をしてもらっているだけと主張するが、その先に向かう場所は自由恋愛の果てのホテルが主。少女たちと客が店のルールを無視して勝手に向かった場所だというわけである。
裏オプションの説明はもはやいらないであろう。
少女たちはこういった手法で荒稼ぎをして、自らは夜、ホストクラブで豪遊するなど、およそ健全な女子高生の金遣いとは程遠い生活をしているのである。

さてDKリフレに話を戻そう。
JKが女子高生ならばDKは男子高校生である。業種形態は全くJKリフレと同じ。
ただ少しばかり私たちに馴染みのない世界である部分があるとすれば、それは男子高校生の接客する相手が同性の男であるという点であろう。
私たちの国の法では幸が不幸か男同士の恋愛はないことになっている。つまり法規制がなかなか困難なのだ。
その盲点を突いたDKリフレ。
もちろんJKリフレほどの数はないが、確かに存在するのである。
私はそのDKリフレで働く現役男子高校生に直接話を聞くことが出来た。

──このアルバイトを始めたきっかけは?
少年A:お小遣いが欲しくて。

──普通のバイトをするってわけにはいかなかったの?
少年A:そもそもオレ部活が忙しいんで。定期的に入らなきゃいけないバイトがなかなか難しくてさ、入れる時に好きな時間だけ入れるこのバイトはオレには助かる。

──こういう店があることをもともと知っていた?
少年A:最初は知らなかった。でもオレ、どっちかってゆ〜と同じ世代の友達よりもそ〜ゆ〜世界の関係が豊富ってゆ〜か、つまり、そ〜ゆ〜相手に聞いた話で知ったって感じです。

──そういう相手?
少年A:つまり…カラダの関係?

──もともと体を売ってた?
少年A:売るってゆ〜より、ただの恋愛として?オレ、男の人も女の人もいけるから、結構広い範囲で交友関係があるってことかな。そこに金銭が絡む時も絡まない時もある。

──DKリフレでは裏オプで稼いでるの?
少年A:もちろん。むしろ普通〜のリフレメニューする客なんていないよ。店のみんなも全員裏オプで稼いでる。裏オプじゃないと稼げないシステムになってるから。

──このバイトをしてることを他の誰かは知ってる?
少年A:まさか(笑)

──親にもバレてない?
少年A:バレてたら殺されてる(笑)

──罪悪感は感じる?
少年A:どうして?客は客で喜んでるし、オレも稼げる。WIN-WINの関係ですから。

──お金を稼いで何か買いたいものがあるの?
少年A:別に。強いて言えば将来への貯金?

──このバイトは続けるつもり?
少年A:しばらくは…ね。

屈託のない笑顔で話す少年は、確かに可愛い顔立ちをしていた。
その幼い顔立ちの仮面の下にあるどす黒い本性を垣間見るにつけ、私は驚きを禁じえない。
いいか悪いかと言えば悪いことであろう。私は早く規制の方向がDKリフレに向くよう祈るばかりである。
売春の危険にさらされているのは少女ばかりではなく、少年もしかりなのである。


記事:週間○○53号より抜粋
記者:××××
※一部割愛している部分があります。
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