小説■第六巻■

□俺の弟がこんなに可愛いわけがない
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8時01分発
烈射変態トッキュウシャセイが発射致しま〜す。
おイキ遅れのないようにご注意下さ〜い。




【俺の弟がこんなに可愛いわけがない】




『最っっ低――!!!!』


パシっっ


『…っっっってぇ〜』


バタン!!
ドドドドドドド!!!


ああ…痛ぇ
あいつ、思いっきり殴りやがって。
マジ次会ったら犯してやる。

…あ、失礼。
こんばんは!泉と申します。
今俺はカノジョになるかもしれねぇ女を部屋に連れ込んでたんだけど、あともうちょっとでヤれそうだったのに突然拒否られて平手打ちくらいました。


…あ、皆様にはもうちょっとちゃんと自己紹介した方がいいっスね。
俺は泉。
俺には弟が一人いて、そいつの名前は孝介って言います。
弟の泉孝介は西浦高校の野球部にいる。皆様知ってますよね?


てか俺の部屋までついてきてヤらせねぇ女ってどう思います?
ありえねぇっしょw
ヤラせる気〜ねぇなら男の部屋になんか上がりこむなっての。

せっかく親がいねぇ夜なのに…嗚呼もったいね。



『おい…今すっげ〜形相で女の人が出てったけど?』
弟の孝介がろくにドアをノックせずに部屋に入ってきやがった。
チ…面倒臭ぇな。

『あ?別に…ヤろうとしたら逃げられただけー』
俺は孝介の顔を見ずにエロ雑誌を手に取りながらそう言った。
こ〜なったら今日はオナニーでヌくしかねぇな。

『うわ〜…サイテー。兄貴、女子には優しくしねぇと嫌われっぞ。』
孝介が知ったような口をきく。
てかお前に言われたくねぇ。

『お前だって女子に冷酷だろーが。』
『え?オレ??別に冷酷なんかじゃねぇ〜し!』


孝介は頬を膨らませて不機嫌な顔になった。



…俺は知っている。
この弟は見た目だけは可愛い顔をしていると。
どっちかって〜とクールな顔立ちの俺?とはあまり似ていない。
そしてこんな顔だからこいつは結構モテている。

だがそれだけなら問題ない。

女子にだけモテるなら文句はねぇが、あろうことかこいつは男にまでモテやがるということが問題なのだ。



『一人の女に優しくするならいいけどお前は皆に優しいんだろ?それ結果的に女を冷たくあしらってるのと一緒なんだ・よ!』

『は!?ちょ…八つ当たりすんの感じ悪ぃー』
そう言いながら孝介は部屋を出て行こうとした。


『あ〜あ、図星突かれて逃げんのかー』
『なっっ!!逃げるとかありえねぇし!!』


こいつは弟のクセに少しばかり生意気だ。
負けず嫌いなのはスポーツの世界では長所かもしれねぇけど、兄弟の縦社会に生きる者としては失格だな。
なんかだんだんムカついてきた。

『あ〜やだやだ、そ〜ゆ〜言い方しか出来ねぇから女に逃げられんだよ!』
『…何?』
聞き捨てならねぇことぬかしやがんな。
だから俺はお前をぼろくそに打ち負かしたくなるんだよ。


『女に逃げられることくれぇ何ともないね。ま、お前みたいに男にまで手〜出して性欲満たされる器用な男じゃね〜んだよ俺は。』

『なっっ!!!!!!!!』


は?
何意外な顔してんのこいつ?
もしかして俺が気づいてねぇとでも思ってんのか?


『お前は男までも誘惑して盛ってる淫乱クソ野郎だもんな?あ?ケツに挿入れられてあんあん喘いでんだろ?ああ…兄弟として恥ずかしいぜ、実の弟が毎晩毎晩ホモって喘いでるとかな!』


ドン!!!!!


俺は孝介を壁際にじりじり攻めながら追い詰めていった。
そして孝介が壁に凭れてこれ以上後ろに逃げられない状況で顔横の壁をドンと殴ってやった。

ああ…まさか巷で噂の壁ドンとやらを弟で経験するとはな。
俺もほとほとたいがいな男だぜ。
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