Wonder land

□7.ポジション
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「ああ、知らないか?」

「わりぃ・・・見たことねぇ。でも、もう少しで仕事終わるし、手伝う」

シャルトルは苦笑いしながら手を合わせて謝った。
こんな時、本当いい奴だと思う・・・。



「・・・何でコイツもいんだ?」

「さっき廊下で会ったんだ。いいだろ、人手は多い方が」

シャルトルが指差す先には、令。
どうしたのか聞かれ、うっかりシャルトルと情報集めに行くと言ったらついてきてしまったのだ。

最近気付いたんだが、どうやら二人は相性が悪いらしい。

「そうだよ、人手は多い方がいいだろ?」

「お前なんかは猫の手にもならないんじゃないか?」

「RPGの癖に!!ゲームの世界にとどまってろよ」

「だーっ!!もう、大体千隼といい、RPGってなんなんだよ、意味わかんねーし、このガキ!!」

やはりシャルトルの世界にRPGと言う言葉は存在しないらしい・・・ってそんな場合じゃなくて・・・。

シャルトルが令を小馬鹿にすると、令はムキになって言い返す。

そしてそのうち両者ともムキになってしまうのだ。
まぁ、こんな感じでいがみ合いが続く。

二人とも普段は結構冷静になれんのに・・・。

たまにスイッチが入ったように喧嘩を始めるのだ。
睨み合ってそっぽを向く姿はまるで小学生を想像させる。

見ている分には・・・まぁ、ほのぼのしい?のだが、これだけ人がいるなかでやられるのは恥ずかしい。

「まぁ、とにかく二人とも落ち着け・・・」

流石に知らない人のふりをするのもアレなので千隼が喧嘩の仲裁に入ると、仕方ないという感じで二人は喧嘩をやめる。

「で、そういえば何で白髪の奴なんか探してんだ?」

「ああ、うん、何でなの?」

ふと、思いついたようにシャルトルが呟くと、令も不思議に思ったのか問いかけてくる。

できるかぎりは言いたくない、皆には黙って出てきていたから。

もし言っていたら、特に令やシャルトルは心配して自分の仕事を投げ出してでもついてきただろう。

あまり心配はかけたくない。
それにあれじゃあいくら二人がいても・・・。

二人の実力はわかっているつもりだ。
シャルトルはアタシよりも少し上だが、令は少し下。

どちらにしろアレが相手ではただではすまない。

「えっと・・・ちょっと確かめたいことがあるんだ」

てきとうに誤魔化す。
二人はちょっと不満そうだったが、それ以上は聞いてこなかった。



どこにでもありそうなファーストフード。
適当にメニューを見てオーダーする。

あれからずっと探したが、結局あいつは見つからなかった。

・・・白髪ってそんな珍しいものだっただろうか?
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