Wonder land

□13.予告状
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基本、透明や白で統一されているダイヤの国。
いつも千隼達がいるハートの国に比べると全体的に目に優しい感じだ。

城に入ると、見覚えのある女王様がこちらにゆっくりと歩いてくる。

「千隼、よね?」

「優香」

久々の友人との再開。
嬉しくて互いに満面の笑みを浮かべる。

最初、優香がここに来てたことには驚いた。
そしてまさかの既婚。

お伽の国で王子様に出会ってって・・・どっかの童話のヒロインか。
とも思うが、彼女はヒロイン何てがらじゃない。
彼女が女王・・・明らかにかかあ天下な政治になるだろう。
大人しそうな外見に反して彼女は強い。
大の男を組み敷く程度には。

今日この、ダイヤの国に来ているのには理由がある。

謎の予告状。

ダイヤの国に女王を拐いにくると言う予告状が届いていたのだ。
元々ダイヤの国は争いのない国なので、あまり戦力・・・と、言うかこういう時、には弱い。

そのため、千隼達はハートの国から護衛に駆り出されていた。
ダイヤの国を助ける目的は、女王様は人助けだとか・・・まぁ女王様には胡散臭い台詞を吐いたが、ダイヤの国に貸しを作るためというのが本音だろう。

今回のメンツは、千隼と響、令、英介、シャルトルの五人。
そういえば響と仕事をするのは初めてな気がする。



「本当にこの作戦で行くのか?」

「大丈夫さ、ベールまで被っちゃえばバレないっしょ」

そんな根拠のないことを言っているのは響。
作戦はとりあえず女王誘拐未遂期間中、アタシが囮になるというものだ。

と、いうことで今はダイヤの女王様の・・・純白のドレスを見にまとっている。
優香はまだ国の人間たちともあまり女王としての面識はないので顔は見られても問題はないらしいが、まぁベールは一応だ。

「似合ってんじゃん」

「目の保養ですね」

「そーそ。綺麗だよ、千隼」

シャルトルに続いて、英介、響はそれぞれの感想を述べる。

「ギザ男共・・・」

千隼はちょっと顔を赤らめてうつむき、呟く。

恥ずかしいが、ほめられるのは嫌じゃない。
悔しいからちょっと嫌みを言ってみたが、やはりこいつらには効かないらしい。

「あ〜、可愛いわ。ツンデレ」

「やっぱいいですよね、ツンデレ」

「いや、だからデレてはいない」

不適切発言を繰り返す英介と響に千隼が我を取り戻したかのようにつっこむ。
シャルトルはそれを横で見て笑っていた。

ツンとしてしまうのは・・・まぁ多少認めるが、デレはした覚えはない。
しかし、英介と響って若干同類なんじゃないだろうか?

「ほら、そこのヘタレ」

響が部屋の入り口で紅くなってる令をちょいちょいと手招きをする。


「煩いなぁ・・・大体ヘタレってなんだよ」

令がちょっとむすっとしながらつっかかる。
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