短編

□眠り姫
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部屋に響く衣擦れの音。

それと共に聞こえてくるのは愛しい彼女の安らかな寝息。

そして、はだけた襦袢の影からチラチラ見える白い彼女の肌。

そこには先ほど俺が着けた無数の赤い花が咲いている。

その姿が余りにも普段のあどけなさと違い妖艶過ぎ、夜中に目が覚めた俺は魅入ってしまった。

今更言ったところでどうしようも無いことなのだけれど。止めておくべきだった。

どうしてくれようか、この元気になりつつある息子を。


「起こしやすかねェ…」


けれど、ただでさえ今日は久々に会えたこともあり、何時も以上に激しく求めてしまった後なのだ。
仕事で疲れているはずの彼女にこれ以上無理を強いるのは流石の俺でも忍びなく。

結局は1人でどうにかしなくちゃいけないのだけれど、やはり虚しいものがある。

「はぁ…俺とした事が情けねェ」

もう、仕方ない。諦めて寝てしまおうと覚悟を決め、彼女に背を向けた途端微かに聞こえた声。

「……ご」

確かに俺の名を読んだ気がするが、起きている様子は無い。

不思議に思い振り返って見た瞬間

「そ…ご………愛して…る」


「!……」

不意に聞かされた愛の言葉に不覚にも赤面してしまった。

その上せっかく総動員して抑えていた理性を、いとも容易く崩されもう、耐えれそうも無い。

だって、可愛すぎる。

「お前がわりィんですぜ?」


理不尽かもしれないが仕方ない。それが俺なのだから。













小悪魔な眠り姫に愛の粛正を












まず、目覚めに激しいキスをおみまいしてやらァ





Happy End.

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