短編

□強欲
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偽りの言葉なんていらないんだよ


ただ一時だけを慰めてくれる言葉なんて
それなのにどうしようもなく恋い焦がれてしまう存在から抜け出すコトはもう出来ない



「ルーク…ルーク。」


狂ったように名を呼ぶ
眠る相手には届くはずもなくそれは暗闇へと消えていく



―――――――……





「何故俺の物にならない …――?」


大人しくただ一言忠誠の誓いを言ってしまえば楽になるのに…
どこまでも見栄を張るなどふざけたコトをするものだな



赤く腫れた皮膚に傷だらけの身体
苦しんでいるのか呼吸は早い

当たり前だ…これは所謂『拷問』と変わりないのだから。


「はははっ!!実に醜いな…哀れなレプリカ!!!!」


「ぅ…ぐぁッ……う!!やめ…は…なせ!!!!」


「何言ってるか理解出来ないぞ。ん?ちゃんと喋ってみろ…この口で」



拒絶の言葉なんか誰が聞き入れるか
そんな哀れな言葉になどに興味はない。
俺が聞き入れるのはただ『忠誠』の言葉―――…






けどこいつは



「うるさ…い!!お前なんか嫌いだッ大嫌い…」


「ほう……」


「…ぐっ…俺に触るな……吐き気がする…!!」


「……言ってくれるな」




どうやら優しくしたのが間違いだったな
そんなに苦しむ道がお望みなら…もっと泣き叫んでもらおうか…ルーク




「う…ああああぁあ!!!!!!!やだッやだやだ!!っ離せぇえええーー!!!」


「くく…大事なとこにも傷がついちゃったな?…心地いい囀りだ」


「ひぐ…ぅ!ああっ…あっ!ぅあ…」



どんなに壊れても構わない…俺の籠の中に捕らえられるのなら


「ルーク…俺はお前を








愛してなんかいないぜ?」




俺がそう言っただけ…ただ一言そう言っただけでお前を想像以上に面白い表情をする


まるで『どうして』…と言っているようなカオ…


「ひっ!や、やめ……いた……苦し………っ…ガ……ィ…」



「俺はお前を自由にさせてやるつもりなんか少しもない。残念だったな?」



もう逃がさない自由になんかさせない
お前には俺、俺にはお前。それ以外の人物など滅びてしまえば良い




そう―――…。



全ては秘蔵という名の『Rationality』。







end




++あとがき+++
長いことお待たせしました!!久々の黒ガイです(°∇°;)
黒ガイ…と言いつつ相変わらず駄文。
最終的にはやっぱなんじゃコレ的なものになってしまう;;
もっと他サイト様の素晴らしい文才を見習わなくては!!


では、ここまで読んで戴き有り難うございました!


20090816

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