短編

□ミルフィオーレvsヴァリアーin竹寿司
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これは一体、どういうことだろうか?
ザワザワと騒ぐ周囲をひとしきり見回してから、山本武は目の前のカップに手を伸ばす。白を基調としたそのカップは見るからに高そうだ。一瞬それを持ち上げるのをためらったが、恐る恐る口元まで持っていくとなんともいえぬ仄かな香りが鼻孔をくすぐる。周りの騒がしさを振り払うように一口。
甘い、ミルクティー。
「あ、武チャン。それおいしかった?」
「え?あ…おう」
いかにも高級そうな紅茶を当たり前のように振る舞って。
「よかった。武チャンって、牛乳好きでしょ。だからミルクティーがいいかなって」
にこにこと、人の良さそうな笑みを向けられてつられて山本も微笑んだ。
「白蘭、抜け駆けはよくない」
「うん?いいじゃない、僕が出したお茶の感想ききたかったんだもん」
「じゃあ山本。ウチの淹れた緑茶飲んで?」
「え?おう…いいけど、」
「つーかテメェ!何小僧の手ぇ握ってんだぁ!!」
「そうそう、武は王子のモノだし。触んないで」
日本。イン竹寿司。座敷にご丁寧に正座をして(してない者も何名かいるが)テーブルを囲んで。テーブルの周りには山本を含め、8人がぐるりと取り囲んでいる。
白蘭やスパナ、γに入江正一。そしてそれに対しスクアーロにベルフェゴール。そしてあの…ザンザスまでもが座敷に物凄い形相で(正直帰りたくなる)座っていた。
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