捧げ物・宝物

□綾鳥様へ
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「やぁ、おはよう骸…」


彼はSな執事様


「っあ!?ななな…どうしてっ…」

寝室で眠る骸におはようの挨拶と共に部屋に入ってきたのは、雲雀恭弥、そう骸の恋人だった。

ただ、今日の雲雀はいつもと違った。


「今日はアッサムを煎れてみたんだ。まあ…味の保証はしないけどね。」
「っっっ……恭弥…」
「どうしたんだい、骸。せっかく煎れたのに冷めてしまうよ。」
「そうではなく…どうしてっ…どうして貴方が

そんな格好してらっしゃるんですかーーーーー!!」


そう、雲雀は執事だったのだ。
黒い燕尾服に身を包み、不適な笑みを浮かべながら、窓のカーテンを開けている。


「今日1日だけ骸の執事をしようと思ってね。
僕は常々思ってたんだ。骸に1日中連れ添える執事になりたいって。だから今日は何なら何までお世話してあげるよ。」
「そ、そんなこと…結構で
「さて、まずは朝食だよ。」


骸の拒絶の言葉をすらりとかわすと、雲雀は様々な種類のパンを運んできた。


「さあ、どうぞ?」
「う……」

美味しそうな香りが鼻をつき、お腹の減っている骸にとって断ることは困難。

「どうしたの?1人では食べられない?仕方ないね。」

そういうと雲雀はパンを1つ取って一口サイズにちぎり、骸の口へ運んだ。

「ほら、口開けて?」
「っ……」

口の中に入ったパンは焼きたてで中がふわっとしたとても美味しいパンだった。

「これ、恭弥が焼いたんですか…?」
「そうだよ。まあ、執事たるものこのくらい出来ないとね。」

どこかで聞いたことのあるセリフを吐き、骸は少し戸惑いながらも朝食を終えた。






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