捧げ物・宝物
□哉斗様へ
1ページ/3ページ
「暑っ……」
真夜中の白い雪
まだ10時すぎだというのに、すでに外の温度は36℃。
真夏を感じさせられるこの暑さに、雲雀はイライラしていた。
「委員長、大丈夫ですか?なにか、飲み物でも…
「草壁…僕が暑さに弱いとでも思ってるの?」
「いえっ、そんなつもりはっ
「イライラしてるんだ。黙りなよ。」
ドゴッッ!!!
「ぐっ、委員長…」
バタン
「おやおや、昼間から物騒ですね。」
「っっっ!!骸っ」
「何ですか?」
「どうしてここに…っ」
「散歩がてらに並盛を散策してまして。まあ、でも今日は暑いですから、少し屋内で休もうと思いここにきたんですよ。
そしたら何ですか…。貴方は。」
「うるさいっ」
「そんなイライラしてもしょうがないでしょう。暑いのはどうしようもないんですから。」
「………」
確かに暑さでイライラしていたのは事実だ。でも、まさかこいつが来るなんて…
「それでこの暑さですし、今夜涼しくなってからどこか出かけようとお誘いに来たのですが…。どうやら、イライラしていてそれどころではなさそうですね。
また今度の機会にしましょうかね…」
「っっ…」
骸と会うのさえ3ヶ月ぶりだというのに、何処かに2人で出かけたとなれば半年ではきかないだろう。
そんな骸が自分を誘ってくれている…
そう思うと、この暑さでイライラしていたのが、突然冷静に考えられるようになった。
いつもは1番ムカつく奴だが、僕の傍に一緒にいられるのも骸だけだ。
だからそんな骸に少し付き合いたくなったんだ。
「ま、まちなよ…。それ何時集合なのか聞こうじゃない。」
「クス、では夜の9時にここというのはどうですか?」
「分かった…」
「では、失礼しますよ。
僕も少し用意がありますから。」
彼は去っていった。用意があるという謎の言葉を残して…
*