捧げ物・宝物

□哉斗様へ
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「暑っ……」

真夜中の白い雪

まだ10時すぎだというのに、すでに外の温度は36℃。
真夏を感じさせられるこの暑さに、雲雀はイライラしていた。

「委員長、大丈夫ですか?なにか、飲み物でも…

「草壁…僕が暑さに弱いとでも思ってるの?」
「いえっ、そんなつもりはっ
「イライラしてるんだ。黙りなよ。」


ドゴッッ!!!

「ぐっ、委員長…」

バタン


「おやおや、昼間から物騒ですね。」
「っっっ!!骸っ」
「何ですか?」
「どうしてここに…っ」
「散歩がてらに並盛を散策してまして。まあ、でも今日は暑いですから、少し屋内で休もうと思いここにきたんですよ。

そしたら何ですか…。貴方は。」
「うるさいっ」
「そんなイライラしてもしょうがないでしょう。暑いのはどうしようもないんですから。」
「………」


確かに暑さでイライラしていたのは事実だ。でも、まさかこいつが来るなんて…

「それでこの暑さですし、今夜涼しくなってからどこか出かけようとお誘いに来たのですが…。どうやら、イライラしていてそれどころではなさそうですね。
また今度の機会にしましょうかね…」
「っっ…」


骸と会うのさえ3ヶ月ぶりだというのに、何処かに2人で出かけたとなれば半年ではきかないだろう。

そんな骸が自分を誘ってくれている…
そう思うと、この暑さでイライラしていたのが、突然冷静に考えられるようになった。

いつもは1番ムカつく奴だが、僕の傍に一緒にいられるのも骸だけだ。

だからそんな骸に少し付き合いたくなったんだ。

「ま、まちなよ…。それ何時集合なのか聞こうじゃない。」
「クス、では夜の9時にここというのはどうですか?」
「分かった…」
「では、失礼しますよ。
僕も少し用意がありますから。」


彼は去っていった。用意があるという謎の言葉を残して…





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