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□第3章 前編
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今日は真選組あげての飲み会だ

今朝、局長に呼び出されたおれは準備を任された
局長は「松平のとっつあんから、酒やらなんやらの差し入れがあって今夜は盛大にやる」と張りきっていた

同席していた副長に聞くところによると、
なんでも娘がカレシと別れた祝いに貰ったらしい
それがなんで、おれたち真選組と関係あるのかはわからない
まっ、飲めればなんでもいいんだけどね



「おいっ!山崎!!ボーっと突っ立ってんじゃねえ!!言っといたもんは買ってきてあんだろな?」

「はいっ副長!!でも、いつもの辛口じゃなくて甘口でよかったんですか?」
あーさっき思い出してよかったよこれ。忘れてたら確実に斬られてたよ

「余計なことは考えるな」

って言われも一応これでも監察なんで、気になるとつい…
まあここで副長の機嫌損ねて飲めなくなったら嫌だしな。あまり追求しないでおこう



「ヤマザキィ」

「はい隊長」
やれやれ今度はこっちか…
あきらめ顔で呼ばれた方へ向かう


「おまえ今どこ行ってた?土方のやろうは何買いに行かせたんでィ?」

「えっ?お酒ですけど」

「こんなにあるのにか?」

「あっはい、なんでも甘口がいいとか…」って沖田隊長きいてないよ


(甘いねえ…。やつがんなもん飲むとは思えねえし、って事は客用。近藤さんの命令じゃねえってことは……)

しばし考えたあと結論に至った
(それしかねえな)


ニヤリと笑う沖田隊長を見て、飲み会が始まる前だというのになんだかもう疲れた
こういう顔する時って必ずやな事起きるんだよなあ


「酢昆布もちゃんと用意してあんだろな?」

「はいっ?!酢イカならありますけど…?」
えっ酢昆布なんて、誰が食べるんですか?

「チッ。監察のくせに気がきかねえな」

えっ何その言われよう
ちゃんと珍味買ってあるじゃないですかっ


「いまから買ってこい」

「ええーー!?今からですか?もうみんな乾杯待ってますよ」

「いいから早く行ってこいや」
背後にバズーカーがみえる

「はいっ!!わかりましたぁぁあ!!」
さっき帰ってきたばっかなのに……やっぱり予感はあたった

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