EVENT

□栗誕?
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於:万事屋 居間


「はア...」

これで何回目だろう。さっきから銀さんがため息ばかりついている。今朝は珍しく声をかけないうちに銀さんが起きてきた。といっても目の下のクマを見るかぎり一睡もしてないカンジだ。それにしてもテーブルに出した朝の一杯も摂らないなんておかしい……

「銀さん、イチゴ牛乳温くなっちゃいますよ。飲まないんですか?」

「あァ…」

なんだこの生返事。いったいどうしちゃったんだろ

ガラッ

「あ神楽ちゃんおはよう」

「う〜んオハヨウアル……ふぁワああ。あれ?銀ちゃんが起きてるアル。また朝帰りアルか?」

「……はア。はぁあああ!!!・・・・はあ〜」

ため息とも叫びともつかない声をあげて頭をガリガリ掻きむしり出した。呆気にとられてると今度は一際大きいため息をつき頭を抱えている

「新八ぃ、銀ちゃんどうしちゃったアル。また生活費、飲みに使っちゃったアルか?」

「…そーいうわけじゃないと思うよ」

銀さんの日頃の行いからしたらそう思うのが自然だよね。でも今日のへこみ具合はいつもと違う気がするんだよな。だいいちイチゴ牛乳飲まない銀さんなんて、銀さんじゃないよ

新八は手つかずのままのコップを見つめた

ほんとどうしちゃったんだろ?

「銀ちゃん、あんまり掻くとフケ落ちて汚いネ」

「ん〜…」

僕たちは顔を見合わせた。この手の話題に敏感になってる銀さんが反応しないなんておかしい。最近、神楽ちゃんの銀さんに対する態度が輪をかけてひどくなった。「おれをあのハゲと一緒にするな!」なんて言い争ってたけど、思春期だもんしょーがないよね。でも昨日、洗濯機の前に割りばし持った神楽ちゃんがいたのは黙っておこう

「神楽ちゃん、さきに朝ごはん食べよっか」

「この調子なら銀ちゃんの分、わたしが片付けてあげるネ」

いやあの無理して食べなくていいからね神楽ちゃん…

結局、銀さんの分どころか冷凍してあった非常用のご飯まで食べられてしまった

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