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□そごたん(原作設定風=×なしで皆+?)
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7月6日夕方 曇り ところにより雷注意報


『馬がほしいんでさァ』





七夕をあしたに控えた今日、俺たち真選組は遠征訓練と称した笹取りに出かけた

ヘビはでるわ、やぶ蚊に喰われるわ、崖から落ちそうになるわ。あげく現在、歌舞伎町町内を隊列を組んでコレをかついでいる。ゆさゆさ揺れる楕円形の葉がさっきから顔にあたって痛えんだよっ!

事の発端は、近藤さんの例の病気だ。あの女に頼まれた近藤さんがそりゃもうすごい張りきりようで、わさわざ5メートルもある代物を山から切りだしてきたのだ。汗だく泥まみれの自分たちが一体何の集団だったのか忘れてしまいそうになる



「そういえば副長の中の人がCDで船頭をつとめた〇工船が映画化ですね」

「なんだあ?山崎。おまえ俺が虐げられた労働者って言いてえのか」

「いえけっしてそういう意味で言ったんじゃ……」
ギロっと睨まれた山崎は口をつぐんだ。あー余計なこと言うんじゃなかった

ようやく屯所が見えるところまでくると、今まで姿が見えなかった沖田隊長が涼しい顔で現れた。短冊片手にだ



「車やめてこれからの時代は馬でさ。あれ土方さんなに鼻息荒くしてんでィ?駄馬みたいですぜ、そのこぎたないカッコも」

あっあ〜今それでなくても副長の機嫌よくないのに−−−。土方がぶちキレるのを覚悟した山崎は案の定風呂の支度を命じられたのだった



裏庭で蒔の準備をしていると蚊取り線香を手に隊長がやってきた。その気遣いにいささか驚いたが、なんのことはない自分用だった。あの、そしたら蚊が全部こっちにくるんですけど。痒っ。しゃがみこんでいた足の裏を刺された。なんでそんなとこ喰うんだよ!



「星が見えねえでさ。また今年の七夕も雨ですかィ……。あいつら泣きすぎでい」

縁側に座った隊長が独り言のように空を見上げてつぶやいた

「……最後に晴れたのはミツバさんが亡くなる前の年でしたもんね」

「山崎のくせになにロマンチックなこと考えてんでィ」

おれには隊長が、天の川に阻まれた織り女と彦星をミツバさんと自分に置き換えてるみたいに見えたんですけどね

それにしても願い事がどうして馬なんだ?サンタへのリクエストじゃないんだから、欲しいものじゃなくてせめてなんとかになりたいって書きましょーよ

おれは『この理不尽な上司たちから解放されたい』

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