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□How old
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「幽霊って信じます?」
真剣味を帯びた言葉に視線を向ける。一体どうしたのだろうか、この男は。
公園のベンチでジャンプを読んでいればフラリと現れて許可なく隣に座ってきたこの男。つい先程までは天気がどうとか占いがどうとか下らない話をしていた筈。何の脈絡もなくはかれたそれに少なからず驚いた。
「え、急にどうしたのよジミー君」
「山崎退。本当に覚える気ないな」
「タメ口!!?」
「幽霊って何歳まで生き続けんでしょうね」
「うわ…ジミーのくせにシカトかよ殴っていいかな。つーか幽霊なんていてたまるか。スタンドならいるけどな!」
冷や汗を垂らしながら言う銀時の言葉に心底憐れみを含んだ瞳を向けられた。その様にイラッとし、とりあえず一発と拳を握った時だった。
あ、と銀時の後ろを見た彼が言う。
「今度は何だよ」
「休憩10分終了。じゃ旦那、公務に戻るんで。ちゃんと働いてくださいよ」
「…は!?今までのは何だったんだよ!!!」
「特に意味はないです」
ではまた、そう言い立ち上がる山崎。だが数歩行くと立ち止まった。ジャンプに視線を戻そうとしたがその様子に気付き彼を見上げる。逆光で表情はわからない。自然と細くなる瞳。
ゆっくりと振り返り腕を持ち上げ指をさす。
「彼らは一体何歳まで生き続ける気なんでしょうね」
眩しい中で確かに見えた弧を描く唇。背筋が凍った。指された先は自分を透した向こう側、そこにいる何か。
乾いた笑いが漏れる。
「俺が死ぬまで」
逆光の中また微かに笑う。同意見です、そう小さく言うと踵を反した。
肩に手をあてゆっくりと瞳を閉じる
彼らに追悼を
fin.