hand.


□ひとやすみU
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屯所の屋根、青く澄んだ空を見上げながら茶を啜る。そんな寛ぎの一時。
青いキャンパスには白い一筋の飛行機雲、それに見慣れない飛行物体。賑やかな雰囲気は変わらない筈なのにやはり此処は別世界だ、と山崎烝は感慨にふけっていた。



「やっと見つけた!!」



そんな時に少し荒い息で聞こえた声。思ったよりも早かったなとまた一口茶を啜る。



「俺を置き去りにして何1人和んでるんですかー薄情者め」

「人聞きの悪い、俺はちゃんと忠告したやないですか」

「あんなんじゃ人は動かない」

「知るか阿呆」



戦でもあったのかと言うような程ボロボロになった退。それでも腰にはラケット、手には湯呑み。全く懲りた様子がない。



「俺はれっきとした休憩時間を5分過ぎちゃっただけなんですー副長は神経質過ぎんだよ」

「それをれっきとした職務怠慢言うんですよ。副長がしっかりせぇへんかったら組織は成り立ちません」

「あー局長はアレだもんね」

「お優しい方やから」



その寛大さがあっての真選組であり新撰組。そしてそれを締める鬼の役割。世界は変わってもその心は同じなのだと感じた。



「あ、鉄くんはどう?」

「あいつはまんま鉄砲玉やな。煩くてかなわん」

「鉄砲玉ね〜うちにはバズーカがいるよ」

「もう少し考えて行動してもらわんと副長にご迷惑がかかるっちゅーのに」

「それを楽しんでるけどね、というか困らせる為の努力は惜しまないよ」

「ほんま見た目通りのガキや」

「アハハ、そういう面では似てるのかも。俺にとばっちり来るから嫌なんだよなー」



手の掛かる末っ子の話で盛り上がる2人。おまけに過保護な彼の話など。違う世界の似た存在、気苦労が耐えないと笑う。
青空がやがて茜色に染まるまで話は続いた。



「おいテツ、あの瓦辺り目がけてコイツぶっ放ちなせぇ」

「いえっさー」




fin.

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