hand.


□ひとやすみ
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ぽかぽか陽気、爽やかな風、春の香りを乗せ桜が舞う。
愛用のバドミントンラケットを縁側に立て掛け、んーっと伸びをするのはご存知の通り真選組監察方・山崎退だ。
春の日差しに誘われついつい職務も忘れ(何時ものことだが)ラケットを振るっていた。



「暖かいなー」

「…仕事しないんですか?」

「んあ、昼寝したらね」



縁側にゴロンと寝転がった先、見えた顔にニコリと笑って返事を返す。それに呆れ顔なのは新選組監察方・山崎烝。膝を折って退の隣に座り盆に乗っていた湯飲みを差し出す。



「おーありがと、烝くん。」

「いぇ。何時もこんな感じで?」

「まっさか〜俺マジメだし」

「何言うてるんですか。真面目やったら職務中に遊びません」

「せやかてこない天気良かったらなぁ。あ、飛行機雲」

「話反らすし」

「ははっ細かい事気にしたらあかんて。そっちの世界にはないんやろ?」



ビューン、飛行機雲をなぞる様に指を差す。それに烝も視線を上げた。澄み渡る青い空と太陽、町の声。



「江戸の空気は変わらんなぁ」

「ほんま賑やかな町や。あー烝くんと居ると故郷思い出す」

「それはどうも。ところで、そろそろ気にした方がええんとちゃいます?」

「えーまだ寝たばっかやん」

「ほんなら気張って下さい」

「は?何を…──ッ!!?」


「山崎ィィィイイ!!!!!!」


「マジでか!って烝くん!?」



鬼に捕まるまであと3秒。



「あいつ逃げやがったぁぁあああ!!!!」




───…

屋根の上、ズズッと少し温くなった茶を啜る。



「あ、飛行機雲」





fin.

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