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□雪嵐が舞う日
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『第一回〜雪合戦大会ィィィイ!!』

「「「おぉぉぉ──!!!」」」



去年の暖冬とは打って変わり冷え込んだ今年の冬。此処、大江戸にも雪の季節がやってきた。

一面に広がる銀世界。何年ぶりかと言われる多い積雪量に大人達は雪掻きで大忙し、呑気な子供達ははしゃぎまわっている。



「…オイ聞いたか?はしゃぎまわるのは呑気な子供だけみたいだぜ、呑気な。」

「二回言わんでも聞こえてますよ。…そのはずなんですけどねぇ」



対テロ用特殊部隊である真選組。もちろん子供の集まりなどではない、のだが…
目の前で繰り広げられる光景に土方はこめかみを押さえる



「奇数隊は北側、偶数隊は南側に領地を構える事!ルールは大将を討ち取った方が勝ちでさァ!合図と共に開めやす、解散!!!」

「解散!!!じゃねーんだよ何やってやがる総悟。」

「…痛いでさァ土方さん」



隊士達を中庭に集めスピーカーで指示を出す沖田におもいっきり拳骨を食らわせる。



「何って…ナニ─」

「どういう了見でんな事をやってんだって言ってんだ!!!」

「耳元で叫ぶな鼓膜破ける近藤さんの発案ですぜィ」

「…………は?」



余計な事を言いだそうとする沖田に土方が早口でまくし立てれば嫌そうな顔をした。そしておまけの様に発せられた言葉に土方は耳を疑うが直ぐに理解すると頭を抱える



「何がしたいんだ…うちの大将は…」

「俺は良い考えだと思いますよ。足場の悪い雪の上での攻防戦、ただ闇雲に倒すんじゃなくて大将を獲るというルール。実戦向けじゃないですか」

「流石監察でさァ。よ、格好良いぞジミー!」

「それって褒めてんですか?貶してんですか?」



成る程、とそれには土方も良い考えだと頷く。聞けば今日の見回り組である6番隊と隊長同士によるジャンケンで負けた7番隊は不参加との事。

こうして副長の了解も得て『真選組☆雪合戦大会〜土方を狙えDETHマッチ〜』が始まったのである。



「ちょっと待てぇぇぇええ!!!」




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