hand.
□冬夜に輝く
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緑や黄の火花が輝く
「ばっかテメーこっち向けんじゃねぇ!」
「4本いっぺんじゃ〜」
「俺は6本〜」
「ゲホッ煙が目に─!」
それぞれが手持ち花火を数本持ちくるくると回る。注意書なんてものは一切無視。花火を持っての鬼ごっこの始まりだ
「熱ィ!これでも食らえ銀髪パーマァァァア!!!」
「うぉぉぉお!!危ねぇだろ!つーかそれロケット花火!置いてやるやつ!!」
「オイこれにも火を点けてみるか?デカイ花火が─」
「それ爆弾んんんん!!!」
ロケット花火も素手で持ち豪快に放つ。桂に至っては自家製の爆弾まで持ち出す始末だ。
その後も夏に余っていた分を全て無くすまで花火大会は続いた。
「よし、大体片付いたな」
「まだコレが残ってるき!」
ニカッと笑う坂本の手にあるは線香花火。三人も頷き1本ずつ持つと蝋燭を中心に輪になってしゃがむ。
その先端に点けた火は段々と大きくなり音を立てて花開く。
「─…なぁ、知ってるか?」
「線香花火が燃え尽きると願いが叶うというアレか?」
「…テメーそれは」
──が、後に続いた言葉は花火の音よりも小さく
「…こんなモノに願いを込めるたぁ酔狂な奴だけだ。俺は俺の手で」
「同感だな。」
「儚いのぉ」
「──…あぁ、」
大きく輝いたのは束の間。すぐに微かな光となり、それは燃え尽きる前に地に落ちた
誰も何も発しないまま今は無き光を見つめる
バシ───ン!
「「─ッ痛ってぇぇぇえ!!!」」
大きな音がしたと思えば痛む背中に銀時と高杉は悶え苦しむ。桂は急に立ち上がった彼を見上げる
「さっ後片付けをしたらお開きじゃ!」
「痛ぇじゃねーか辰馬!!!」
「ボーっとしちょるからじゃ、行くぜよ!」
その言葉と共に渋々ながら片付けをし帰路に着く
「次は何をしようかのー」
「次、って…まだ何かやるつもりかよ」
「テメーはどうせ暇だろうが」
「テメーが言うなニート」
「俺は─」
「お前も何も言うな。」
肩を並べ歩む4人。
見上げた夜空の星に先程の線香花火が重なる。何の願いを馳せたか、或いは何も願わなかったか。
「約束じゃ」
宙に向かって手を伸ばして言う彼にそれぞれ頷き、または手を挙げて返事を返す。それは同意の証
「ケーキ大会とか良いんじゃね?」
「楽しいのはテメーだけだろうが」
「俺は蕎麦が良い!」
「皆でスマイルなんてどうじゃ?おりょうちゃーん!」
膨らむ未来に顔が綻ぶ
次は何をしようか
fin.
ちょっとしんみりな感じになってしまいました;
リクありがとうございます!