hand.
□冬夜に輝く
1ページ/2ページ
オリオン座がその姿を主張するかの様に強く光を放つ。
ハァっと息を吐けば空気が白くなりいよいよ冬の始まりだと身を持って感じた
「冬だな─…」
「オイ火種は何処だ」
「俺の煙管でいいか?」
「持ってきた蝋燭ばあるじゃろ」
「………冬だよな…?」
両腕を抱え一人銀時が呟くが誰も聞いてはいない。と言うか手元にある袋に夢中で聞こえてはいなかった。
「蝋燭見つけたぜよ!」
「ぉお!…ん?肝心の火が無いではないか」
「あ、ライター入ってんぞ。…なかなか点かねぇな」
「どれ俺に貸して見ろ」
「馬鹿テメーが動いたら風が来んだろ」
「わしに任せるき」
「ライター壊れる」
大の大人が蝋燭を囲いライターを弄る。だが先程から一向に火が点らずシュッシュとネジの巻かれる音のみ。
銀時は苛々から焦れったさを感じ高杉からライターを取り上げた
「貸せ!」
「あ、」と言う三人の声がしたと同時、銀時は器用にも一回で火を点けた。
得意気な顔をすればむくれる彼らに一体いくつだと尋ねたくなる
「─フン、テメー乗り気じゃなかったくせに。」
「俺がいなきゃ火も点けられなかったくせにー」
「アッハッハ〜まっこと金時の言う通りじゃ!」
「銀時な、銀時。」
「ほら、さっさと始めようではないか」
*