hand.


□酒に降伏
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「「「乾杯───!!!」」」



秋の夜長

むさ苦しい男達が広間に集まっての宴会騒ぎ。ある者は服を脱ぎ、またある者は酒を頭からかぶっていた



「……何だこいつぁ…」

「はは、は…」



その広間の入口に立つは副長である土方にその助勤、山崎。酷過ぎる有様に加えていた煙草が落ちた



「今日は皆のお陰で攘夷志士によるテロを未然に防ぐ事が出来た!!無礼講だ!皆好きなだけ飲みやがれぇぇえ!!!」

「「…………。」」



全裸で杯を掲げる我等が局長。無礼講…?外には門番、控えの隊士は数名。
良い訳がないだろう、土方は震える拳をきつく握り締め隣にいる山崎の頭を目一杯殴った



「痛ッたぁぁぁああ!!!!何で俺を殴るんですか!」

「煩ぇ!!!テメーはこいつらの面倒しっかり見ておけよ!俺は自室に戻る!!!」



行き場の無い怒りは近くにいた彼に向く。そして横暴な上司は面倒事を全て山崎に任せその場から立ち去ってしまった



「面倒って…何時も見てんじゃねーか」

「山崎ィ──…」

「ぅお!沖田隊長なんでもうそんなに酔ってんですか!!?」



後ろから山崎の肩に腕を回す沖田(18歳)。あまり潰れない彼だが今日は様子が違った。



「テメーも飲みなせぇ!」

「ちょ、沖田隊長!?」

「あー駄目駄目、」



そこに現れたのは原田。彼も数少ない常識人であり滅多な事が無い限り潰れる程飲みはしない。



「これどうなってんだよ!」

「松平のとっつぁんがよ、知り合いの官僚から天人の間で流行ってる酒を貰ったとかで…」

「あぁ、それがこっちに流れてきた訳か…」



とことん此処の上司達はやる事がズレている。

と、気を抜いた一瞬だった



「飲め!!」

「─んぐッ─!」

「山崎ィィイ─!!!」




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