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□境界線
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夢の中で振り返る

彼岸花咲き誇るそこには佇む貴方。走って走って必死に貴方に手を伸ばす。バシャリと水飛沫が舞い気付く、足元を流れる大きな川。これが三途の川か、頭の片隅でふと思う。
貴方の声が私を呼んだ気がして嬉々として顔を上げる。



此方に来てはいけないよ



小さく優しく響く声。拒絶の言葉。どうして?貴方は私が居なくていいの?私には貴方が居なきゃ駄目なんだ。こんな命惜しくない、貴方の居ない世界など要らない。貴方が居るから世界は回るんだ

貴方は少し嬉しそうに悲しそうに眉を下げ首を横に振るう



此方に来てはいけないよ



彼岸の花が舞い上がる。視界全てを覆う紅、紅、そして白。貴方の名を呼び白を掴む。眩い光が紅を消し、彼岸のそこも川も貴方も薄らいで



此方に来てはいけないよ



貴方の声が髪を撫でた



境界線

踏み越える事は許されない




fin.

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