novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『非なる永遠』
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「おかえりなさいませ。炎山様」

「ただいま」

何時もと変わらぬ出迎えの執事長に、気のない返事を返す。

それでも何も問わない相手に甘えて、真っ直ぐに自室へと向かった。

”おかえりなさい”
”ただいま”

この瞬間だって、決して永遠ではない。

”不”と”未”
”否”と”非”

何時だって、時間の流れは不条理を湛えていて。
未だ実態の掴めない、擬似中毒の幻覚に囚われ続ける人類。

否めないのは、世界の基盤たる非情な時間軸のみ。

この世界は、未知なる否定で成り立っている。
…のかも知れない。
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