novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『Halloween』
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「何これ?」

しっかりと抱きかかえた両腕の中で。
ガサガサ。
思わず、ピクリ、と熱斗の表情が反応を示した。

「開けて見たら?」
わざとらしく行動を促してやると。

この一言を待っていたかの様に、熱斗の口元が緩む。

「いいのか?」
「もうお前のモノだろう?」

どうせ返せって言っても放さないクセに…

妙な場面で遠慮がちになる熱斗に、もう一度「どうぞ」と背中を押してやれば。

「うん!!」

ニコニコ満開な笑顔で。
いそいそと、袋の口を結ぶ紐を解き始めた。

現金なヤツである。
そんなトコも可愛いのだが。
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