novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『景色』
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絶望は絶対だった。

存在価値に、存在理由、存在意義…
難しい単語を並べて、ただ俯いていた。

命の否定を繰り返し、虚ろにさ迷う毎日。
足早に去る時間だけを横目に。

俺には何もない…
未来永劫ずっと…

これは変わらない”不変”だと、信じた。
いや、思い込んでいた。

狂喜する気力も失い、ぬかるみに膝を落とした。
感覚も、精神も、麻痺していく。
いっそその方が楽だった。

自分には何もない。
何も…。


その言葉を、まるで無限ループのアンチ呪文の様に。
何度も何度も、呟き、繰り返し。

俺は、暗闇の殻に閉じこもった。


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