novel『ロックマンエグゼ』vol.1短編N

□『景色』
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何も出来なかった、幼かった頃の自分。

優しくて甘かった、母親と過ごした想い出。

現在も、忘れた訳じゃない。

仕事の重圧と、多忙を理由に。
意図的に思い出さないだけ。

…思い出さない様に、努めてるだけ。

でないと、弱い自分は簡単に折れてしまうから。
すぐに、立ち上がれなくなってしまうから。

他人に対して、甘えてはいけない。
縋ってはいけない。
依存してはいけない。
求めては、いけない。


そうだ。
勘違いしてはいけない。

俺は、独りぼっちでいいんだ。

世界中の誰からも必要とされず。
世界の片隅で。
ただ独り置いてきぼりで構わない。

必要とする存在がいない世界なんて、何もないのと同じ。
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